シンポジウムセッション

シンポジウムセッション

 「トライボロジー会議2012秋北海道室蘭」では,一般講演による通常のセッションのほかに下記の2つのテーマについてシンポジウムセッションを設け,講演を募ることにしました.趣旨をご理解いただき,ふるってご応募・ご参加ください.なお,これらのシンポジウムセッションにおける講演は,一般講演とは異なり,必ずしもオリジナル講演に限定せず,整理された2次情報に基づく講演も受け付けます.講演の申込は,次号以降のトライボロジストに掲載予定の「トライボロジー会議2012秋北海道室蘭」の講演申込要領に沿って行ってください.

分類番号 S1 境界潤滑を考える 〜様々な研究者・技術者の立場から〜

オーガナイザー 中野 健 横浜国立大学 大学院環境情報研究院
〒240-8501 神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台79-7
TEL:045-339-4331 FAX:045-339-4331 E-mail:nakano@ynu.ac.jp
 
青木 才子 東京工業大学 大学院理工学研究科 化学工学専攻
〒152-8552 東京都目黒区大岡山2-12-1, S4-5
TEL:03-5734-2124 FAX:03-5734-2124 E-mail:saoki@chemeng.titech.ac.jp
 
上田 薫 住友軽金属工業株式会社 研究開発センター第三部
〒455-8670 愛知県名古屋市港区千年3-1-12
TEL:052-651-2106 FAX:052-651-8117 E-mail:kaoru_ueda@mail.sumitomo-lm.co.jp
 
成田 恵一 出光興産株式会社 営業研究所
〒299-0107 千葉県市原市姉崎海岸24-4
TEL:0436-61-2505 FAX:0436-61-2017 E-mail:keiichi.narita@si.idemitsu.co.jp
 
星野 耕治 JX日鉱日石エネルギー株式会社 中央技術研究所
〒231-0815 神奈川県横浜市中区千鳥町8
TEL:045-625-7195 FAX:045-625-7273 E-mail:koji.hoshino@noe.jx-group.co.jp
 

 歴史的には1920年頃にスタートした境界潤滑の研究ですが,約100年の歳月を重ねた現在においても,多種多様な観点から境界潤滑現象が注目され研究が発展しています.例えば,複雑で解析が困難であったトライボフィルムの構造やその生成過程が,最新の分析技術や分子スケールの摩擦評価技術などによって明らかにされつつあり,不可視かつ微小領域の固体接触部で生じる様々な素過程の解明が始まっています.しかし,境界潤滑現象は,様々な物理的現象および化学的現象を含み,その一つ一つの要素が相互に影響を及ぼしながら複雑に共存しているため,境界潤滑の全体像を把握することは容易ではなく,現在も多くの未解明な課題を抱えています.このような現状を鑑み,潤滑油,材料,機械および構造解析など,各分野を専門とする研究者・技術者が集結し,境界潤滑を中心として,境界潤滑と密接に関係のある乾燥摩擦から混合潤滑を網羅しつつ,境界潤滑の発現メカニズム,摩擦の法則の成立・不成立をはじめとする学術的議論や,境界潤滑に関わる潤滑油,添加剤,材料,機械設計の最新動向に関する情報交換を目的として,「境界潤滑研究会」を新規に設立いたしました  本シンポジウムでは,物理,化学,機械,材料,潤滑油など様々な分野の研究者と技術者の方々に,それぞれの立場における境界潤滑に対する考え方や捉え方,胸中に抱く境界潤滑像やその思いをご講演いただき,活発な議論を通して,境界潤滑の科学的かつ技術的な進展に向けた問題提起を実施したいと思います.「それぞれが描く境界潤滑ワールド」について,幅広い分野の研究者・技術者の方々からのご発表およびご参加をお待ちしています.

分類番号 S2 機能性コーティングの最適設計技術

オーガナイザー 加納 眞 神奈川県産業技術センター 機械・材料技術部
〒243-0435 神奈川県海老名市下今泉705-1
TEL:046-236-1500 FAX:046-236-1514 E-mail:mkano@kanagawa-iri.go.jp
 
梅原 徳次 名古屋大学 大学院工学研究科 機械理工学専攻
〒464-8603 愛知県名古屋市千種区不老町
TEL/FAX:052-789-2785 E-mail:ume@mech.nagoya-u.ac.jp
 

 機能性コーティングの最適設計技術は,DLCやCNxといった炭素系硬質膜や二硫化モリブデン等の固体潤滑膜を,種々の機械しゅう動部品に上手く適用するために非常に重要となっています.ITC2011Hiroshimaでは,シンポジウム“Advanced Hard and Soft Coating Systems for Sustainable Society”において,朝の8時30分~夜の7時40分までの長時間にわたり21の講演があり,海外からの著名な研究者を交えて多数の参加者の中で活発な討論が行われました.その結果,機能性コーティングは,顕著な摩擦低減や摩耗の抑制効果により環境問題に直接貢献できる技術として世界中で研究開発が活発に行われており,ますます最適設計技術の進展が期待されていると実感できました.また同時に,炭素系硬質膜に見られる摩擦係数0.01以下の超低摩擦現象においては,in situの評価,分析が困難なために実証データに乏しく,未だにメカニズム解明には程遠い現状にあることも事実です.素晴らしい摩擦特性が得られているのに多くの未解明領域がある,まさに研究開発に取り組むには魅力的な技術分野だと言えます.<br>
 そこで本シンポジウムでは,ITC2011 Hiroshimaに引き続き,種々の機能性コーティングの特性,摩擦現象の解析,分析といった基盤研究から実際の工業製品への適用に関する研究成果を集め,幅広い分野の研究者,技術者との議論により,最適設計技術につながる何らかのヒントが得られればと考えております.多くの方々の参加をお待ちしております.