シンポジウムセッション

シンポジウムセッション

「トライボロジー会議 2016 秋 新潟」では,一般講演による通常のセッションのほかに,下記の4つのテーマについてシンポジウムセッションを設けます.趣旨をご理解いただき,ふるってご応募・ご参加ください.なお,これらのシンポジウムセッションにおける講演は,一般講演とは異なり,必ずしもオリジナル講演に限定せず,整理された2次情報に基づく講演も受け付けます.講演の申込は,学会ホームページの「トライボロジー会議 2016 秋 新潟」から行ってください.

テーマ(1) シールにおける最新のトライボロジー技術 (分類番号 S1)

オーガナイザー
杉村 丈一:九州大学
水田 裕賢:NOK株式会社

シールは,潤滑油の漏洩や異物の侵入を防ぎ,機器の性能・機能・信頼性の維持に直接関係するのみならず,環境保護,省エネルギーの面からも重要な機械要素である.本シンポジウムでは,時代のニーズに対応し,進化し続けるシールの最新技術動向や研究成果を発表いただき,参加者による意見交換を行うことで,シール技術の更なる発展の一助とすることを企図する.

テーマ(2) 固体潤滑-最近の動向と特殊環境への展開- (分類番号 S2)

オーガナイザー
平田 敦:東京工業大学
野老山 貴行:秋田大学
山根 敏博:オイレス工業株式会社

固体潤滑は,高温・腐食性・真空など流体潤滑が困難な特殊環境から,高面圧の過酷摩擦条件,流体潤滑から固体潤滑への転換へと適用範囲の拡大を続けている.さらに材料の点では,自己潤滑機能を発揮する新固体材料が見出されている.本シンポジウムでは特殊環境への適用を目指した固体潤滑の科学・技術を多様な観点から総合的に捉えることを目指し,新しい低摩擦トライボロジー材料・表面システムを含む固体潤滑の最近の動向と,実践において基礎となる評価法,理論などを取り上げる.

テーマ(3) 境界潤滑の全体像を描く‐様々な研究者・技術者の立場から‐(分類番号 S3)

オーガナイザー
青木 才子:東京工業大学
星野 耕治:JXエネルギー株式会社

歴史的には1920年頃にスタートした境界潤滑の研究だが,約100年の歳月を重ねた現在においても多種多様な観点から境界潤滑現象が注目され研究が発展している.例えば,トライボフィルムの構造やその生成過程に代表されるように,複雑で解析が困難と考えられてきた,不可視かつ微小領域の固体接触部で生じる様々な素過程に関して,近年では最新の分析技術や分子スケールの摩擦評価技術などを駆使して解明が始まっている.しかし,境界潤滑現象は様々な物理的現象および化学的現象を含み,その一つ一つの要素が相互に影響を及ぼしながら複雑に共存しているため,境界潤滑の全体像を把握することは難しく,現在も多くの未解明な課題を抱えている.本シンポジウムでは,潤滑油,材料,機械および構造解析など各分野を専門とする研究者・技術者の視点における,境界潤滑の発現メカニズム,摩擦の法則の成立・不成立をはじめとする学術的議論や,境界潤滑に関わる潤滑油,添加剤,材料,機械設計の最新動向に関する活発な議論を通して,境界潤滑の科学的かつ技術的な進展に向けた問題提起を実施したいと考えている.

テーマ(4)  エロージョンおよびその応用と周辺技術 (分類番号 S4)

オーガナイザー
岩井 善郎:福井大学
宇佐美 初彦:名城大学
宮島 敏郎:富山県立大学

2011年度から第3種研究会「エロージョンとその応用」において,損傷規模の寸法がナノ・マイクロスケールからマクロスケールまでのエロージョンに関する研究として組織構造変化の発生要因解明や損傷機構の体系化,同現象を硬質薄膜や各種材料表面の特性・劣化等の評価や微細表面加工への展開に関する技術基盤の確立を目指した活動を行ってきている.また,本研究会の成果は,1993年度にスタートした日本海トライボロジー研究会(地区研究会登録は,学会で新設された2005年から)を通した連携や融合により行われてきたものもある.このような背景から,今回両研究会が合同してシンポジウムを企画した.本シンポジウムセッションでは,6年目を迎える「エロージョンとその応用」研究会での,エロージョンの基礎的研究,エロージョンの応用研究,粒子投射手法の表面改質への応用,関連の評価および加工技術に関する研究や技術開発についての活発な議論を通し,これからのエロージョン研究に対する新しい考えを深める場としたいと考えている.