トライボロジー会議 2007秋 佐賀
特別セッション(市民開放,参加費無料)
「人工関節のトライボロジー:臨床性能のさらなる向上をめざして」
日時:2007年9月27日(木)9:30〜12:00
会場:佐賀大学理工学部6号館1階都市工学科大講義室
「特別セッション」のポスターは こちら からご覧頂けます.
- 話題提供 その1 「人工関節臨床例におけるポリエチレン摩耗粉の評価」
小林章郎 氏 (大阪府立急性期・総合医療センター 整形外科)
講演概要:人工関節置換術にけるポリエチレン摩耗はその長期成績を左右する重要な因子である.摩耗を軽減するために新しい材質のポリエチレンや摺動面デザインが導入されているが,実際、生体内での摩耗には不明な点が多い.そこでわれわれは人工股・膝関節液中のポリ摩耗粉の解析を行い,その大きさ・形・数を評価したので報告する.
- 話題提供 その2 「Crosslinked polyethyleneにおける低摩耗効果の臨床的検討」
中島康晴 氏 (九州大学大学院医学研究院整形外科)神宮司誠也・山本卓明・馬渡太郎・松下昌史・岩本幸英 各氏
講演概要:Conventional polyethylene(PE)を使用し,zirconia骨頭例(Zi群),alunima骨頭使用例(Al群)およびXLPE(Crosslinked polyethylene)にZi骨頭使用例(XL群)を対象とし,true wear rateと骨溶解の発生を比較した.線摩耗はZi群:0.17 mm/y,Al群:0.08 mm/yに対してXL群:0.035 mm/yと有意に低減しており,調査時における骨溶解はZi群で13.3%,Al群で3.3%に認めたが,XL群では認めていない.以上の結果よりXLPEによる長期成績の向上が期待される.
- 話題提供 その3 「ビタミンE添加による人工膝関節の耐久性向上」
富田直秀 氏 (京都大学国際融合創造センター創造部門(生体・医療工学))
講演概要:1999年に,人工膝関節用ポリエチレンにビタミンEを添加することによって酸化疲労に対する耐久性が改善されることを発表して以来,世界各国でその実用化が検討されている.最近ではビタミンE添加ポリエチレンの耐摩耗性向上も報告されている.発表では、日本と欧米との技術の違い,そのメカニズムなどを解説する.
- 話題提供 その4 「関節摺動面のMPC処理による人工股関節の耐久性の向上」
茂呂 徹 氏 (東京大学大学院医学系研究科 疾患生命工学センター)
講演概要:弛みの阻止を目指し,生体適合性と潤滑性に優れたリン脂質ポリマー(MPC, 2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholine)を,摺動面のポリエチレン表面にグラフトした人工股関節の研究開発を行ってきた.今回は,股関節シミュレーターを用いた長期の摩耗抑制効果の検討結果を中心に報告する.
- 問合せ先
特別セッション コーディネーター
九州大学大学院工学研究院知能機械システム部門 村上輝夫
TEL: 092-802-3072 FAX: 092-802-0001 E-mail: tmura@mech.kyushu-u.ac.jp
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