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l 趣 旨 北陸地域は日本における暮らし易さの県別調査で常に上位にランクされます.またあまり知られていないようですが,アメニティにかかわる産業や研究も活発です.日常生活においてトライボロジーと深いかかわりがありながら普段あまり意識することがない,毛髪や肌の滑らかさ,また酒造りについて話題提供いただき,学術研究発表での疲れを癒すとともに,トライボロジーをアメニティの視点から考える機会になればと考えています.毛髪コンディショニング性や肌をツルツルにするシルクたんぱく質については地元企業の女性研究者から,また酒造りについては福井の代表的な銘酒を造る企業の代表から講演いただきます.併せて体験と試飲のコーナーも準備する予定です.この企画がトライボロジー研究領域に新たにアメニティの分野を切り拓く契機になればうれしく思います.
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開催日時 2010年9月14日(火) 17:20〜20:00
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会 場 福井大学総合研究棟T 13階大会議室
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総合司会 新田 勇 氏 (新潟大学),太田 浩之 氏 (長岡技術科学大学)
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話題提供
その1 「毛髪の構造とコンディショニング性(滑り,なめらかさ)」
坪田 美樹 氏 (日華化学(株)デミコスメティクス化粧品研究グループ)
使用者に喜ばれるヘアケア商品の開発にあたり,基本的な「毛髪の構造」の把握と使用者が自分の髪を手で触って実感している「滑りとなめらかさ」は重要なキーワードです.実際に「滑りやなめらかさ」を感じる部分は毛髪の最も表面に位置するキューティクルであり,毛髪の「滑りやなめらかさ」を表現するためにカチオン界面活性剤や植物オイル,エステル油そしてシリコーンなどが使用されます.それらの量や種類,組み合わせバランスを幅広く検討し,ヘアケア商品が提供されていることをお話いただきます.
その2 「肌をツルツルにさせるシルクタンパク質セリシン」
南野 恵 氏 (セーレン(株) 開発研究第一グループ)
セリシンは,繭を構成するタンパク質の約3割を占め,特にそのアミノ酸成分としてセリンを多く含むことから高い保湿作用をもつことが知られています.このようなシルクタンパク質セリシンを皮膚に塗布すると,皮膚がツルツルになるという現象が認められていました.そのメカニズムに関する最近の研究をご紹介いただき,キメが整い皮膚のツルツル感が生じる謎に迫ります.
その3 「福井の酒,そして吟醸酒の不思議」
水野 直人 氏 (黒龍酒造(株) 代表取締役社長)
福井には,現在造り酒屋が38蔵元あります.それぞれ製造規模は小さいながらも個性ある酒を醸造しています.また,研究熱心な蔵元が多く,高品質な吟醸酒を醸しており全国的にも注目を浴びつつあります.全国からお越しいただいた皆様方に,今宵の楽しみとなるように福井の地酒の特徴と吟醸酒造りのことをお話いただきます.
--> Last modified: July 12, 2010
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