トライボロジー会議 2010秋 福井

シンポジウムセッション

 

 「トライボロジー会議 2010 秋 福井」では,一般講演による通常のセッションのほかに下記の3つのテーマについてシンポジウムセッションを設け,講演を募ることにしました.趣旨をご理解いただき,ふるってご応募・ご参加ください.なお,これらのシンポジウムセッションにおける講演は,一般講演とは異なり,必ずしもオリジナル講演に限定せず,整理された2次情報に基づく講演も受け付けます.講演の申込は,トライボロジスト2010年4月号,5月号ならびに6月号に掲載の「トライボロジー会議 2010 秋 福井」の講演申込要領に沿って行ってください.

分類番号 S1
表面テクスチャリングとトライボロジー
オーガナイザー: 足立 幸志 東北大学 大学院工学研究科 機械システムデザイン工学専攻
〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉 6-6-01
TEL/FAX:022-795-6956
E-mail:koshi@tribo.mech.tohoku.ac.jp
佐々木信也 東京理科大学 工学部 機械工学科
〒102-0073 東京都千代田区九段北1-14-6
TEL/FAX:03-5228-8389
E-mail:s.sasaki@rs.kagu.tus.ac.jp
 
 表面テクスチャリングは,古くよりしゅう動表面の潤滑状態改善に有効であることが知られていますが,新しい加工プロセスを取り入れた研究開発が最近,活発化しています.機械部品にテクスチャリングを施す方法として,機械除去加工,化学エッチング,サンドブラスト,レーザ微細加工などが工業的に用いられていますが,これまでは単一の加エプロセスにより,加工精度や加工領域が制限された中でテクスチャリング効果が調べられてきています.そのため,テクスチャリングによるトライボロジー特性改善効果については系統的な設計指針となるようなものはなく,テクスチャによる流体潤滑効果に関するシミュレーションを見ても,理論的な裏付けさえ十分に議論されていないのが現状です.
 一方で,テクスチャリングは,機械部品の表面仕上げという根本的な問題にも大きく関わっています.例えば,軸受しゅう動面はもとより金型の表面でのはく離性などに表面粗さがどのように影響を及ぼすのか,また,表面仕上げをどのように設計し品質を管理すべきかなどといった古くて新しい問題が多く残されています.
 そこで本シンポジウムでは,トライボロジー会議2010春東京に引き続き,ナノスケールからマクロスケールまでのテクスチャリングをシームレス(マルチスケール・テクスチャリング)に捉え,表面粗さを含むテクスチャリング表面の設計,加工プロセス技術およびトライボロジー特性の評価方法等について,具体的なアプリケーションあるいは製品イメージを踏まえながら議論を深めたいと考えています.多くの方々の参加をお待ちしております.

分類番号 S2 境界潤滑の極限に挑む
オーガナイザー: 森  誠之 岩手大学 工学部応用化学科
〒020-8551 岩手県盛岡市上田4-3-5
TEL:019-621-6334 FAX:019-621-6334
E-mail:mori@iwate-u.ac.jp
益子 正文 東京工業大学大学院 理工学研究科 化学工学専攻
〒152-8552 東京都目黒区大岡山2-12-1,S1-27
TEL:03-5734-3036 FAX:03-5734-2628
E-mail:mmasuko@chemeng.titech.ac.jp
 境界潤滑は古くて新しい研究対象であり,近年さまざまな角度から境界潤滑現象が注目され研究が発展しています.例えば,複雑で解析が困難であったトライボフィルムの構造や生成過程が,新しい解析技術により明らかにされつつあります.また,新規材料や潤滑油成分の開発が進み,環境に適合する潤滑油が開発され,さらに新規な境界潤滑手法が生み出されています.このような境界潤滑現象の基礎的理解に基づく技術開発は,直接・間接にCO2削減に寄与し,最近話題になっているグリーントライボロジーの実現に貢献するものです.このときに当たり,添加剤,材料および構造解析の研究者が集い,境界潤滑の「極限」を超えることを目標に,議論を通して基礎的な理解を深めたいと考えています.
 トライボロジー会議2010秋福井では,トライボロジー会議2010春東京に引き続きシンポジウムセッションを企画しました.今回は,スイスETHのNicholas D. Spencer教授に基調講演をお願いしております.幅広い分野のトライボロジストから境界潤滑に関する最新の研究成果を発表頂き,境界潤滑現象の理解と新規技術発展に貢献したいと考えております.講演は英語でも日本語でもどちらでも結構です.幅広い技術者・研究者の参加をお待ちしています.

分類番号 S3 粉末を利用した表面改質とトライボロジー
オーガナイザー: 加藤 寛敬 福井工業高等専門学校 機械工学科
〒916-8507 福井県鯖江市下司町
TEL:0778-62-8252 FAX:0778-62-3306
E-mail:hkato@fukui-nct.ac.jp
春山 義夫 富山県立大学 工学部 機械システム工学科
〒939-0398 富山県射水市黒河5180
TEL:0766-56-7500(代) FAX:0766-56-6131
E-mail:haruyama@pu-toyama.ac.jp
小泉 将治 アイテック(株) 研究開発部
〒916-0016 福井県鯖江市神中町2-6-8
TEL:0778-52-8647 FAX:0778-51-4136
E-mail:Masaharu_Koizumi@eyetec.co.jp
 表面改質技術は,表面に新たな機能を付与する技術として様々な分野で古くから行われてきました.その手法や要求される機能は多岐にわたり,今なお進化を続けています.新しい材料が創出されると,それに適した表面改質を新たに考案しなければいけませんし,使用環境が厳しくなればそれに耐えうる新たな表面改質に変える必要が生じます.このシンポジウムでは,その中でも最近様々な手法が考案されている「粉末を利用した」表面改質に話題を絞って議論を深めたいと考えています.粉末材料の観点からは,合成法,粒子微細化技術,分散性など,また表面改質の観点からは,被覆法,加工法,強化法などに関する話題があります.それら改質表面のトライボロジー特性は求められる表面特性の中でも最も重要で,その評価には多くの試験・分析技術が利用されています.
 このシンポジウムでは,粉末を利用した表面改質とトライボロジーに関する学術的・実用的話題を多方面からご発表いただき,幅広い議論を通してこれまでの成果と今後の課題について集約していきたいと考えています.オリジナリティにこだわらず,これまでに発表した情報を整理した内容の講演も歓迎しますので,多くの方々のご参加と話題提供をお待ちしています.


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--> Last modified: May 16, 2009

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