トライボロジー会議 2011春 東京

特別フォーラム

 

話題 はやぶさが挑んだ小惑星イトカワへの往復飛行

 本特別フォーラムでは,宇宙科学研究所教授 川口淳一郎氏をお招きし,2003年に打ち上げられ2010年6月13日に小惑星「イトカワ」から地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」に関するお話しを伺います.

講演要旨:
 2003年に打ち上げられた「はやぶさ」は,イオンエンジンでの惑星間の航行や,地球スウィングバイを併用して加速する新型の飛行法,光学観測情報をもとにした自律的な航法・誘導機能,そして,試料回収カプセルを惑星間軌道から直接に地球大気へ再突入させるなどの新技術を満載した大きな挑戦でした.「はやぶさ」は,2005年9月に小惑星イトカワへ到着し,近傍観測を行った後,11月に2回にわたって,表面への降下・着陸を果たし,試料採取を試みました.そして、「はやぶさ」は,2010年6月13日に地球に帰還し、地球引力圏外の天体へ着陸し,人類初の往復の宇宙飛行を達成しました. その飛行は,とくに着陸や帰路で数々のトラブルに遭遇しました.しかし,「はやぶさ」プロジェクトメンバは,「ゴールは地球なのだ」という高いモーティベーションをもち続け,またよくそのミッション目的を共有して,これらの故障や困難を克服して,今回の地球帰還の成功へとつなげました.我が国の惑星探査は,世界第一線レベルに対して大きく遅れをとっていましたが,この「はやぶさ」はそれを一挙に挽回して,なお余りあるほどの成果をあげたといえます. 本講演では,帰還までの飛行をふりかえり,そこで得られた数々の教訓を紹介し,成果を次世代へつなげる方法,構想について述べます.

講演者 川口 淳一郎 氏
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
宇宙科学研究所宇宙航行システム研究系 教授
はやぶさプロジェクトマネージャー


総合司会 木村 浩 氏(協同油脂(株),トライボロジー会議2011春東京実行副委員長)

開催日時 2011年5月24日(火) 15:15〜16:45 (講演,質疑応答時間を含む)

会場 国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟セミナーホール417号室

定員 300名程度

参加費 無料.非会員の方の聴講も歓迎します.

問合せ先 「トライボロジー会議 2011 春 東京」実行委員会 事務局
TEL:03-3434-1926  E-mail:jast@tribology.jp


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