会長メッセージ

一般社団法人日本トライボロジー学会 第62期会長

中村 隆 (名古屋工業大学)

 2017年5月から日本トライボロジー学会(JAST)第62期会長に就任しました中村です.今更ながらその重責に身が引き締まる思いです.総会でも申し上げました通り,会員の皆様には可能な範囲内で最大限のご協力をお願い申し上げます.

 前会長の中野史郎氏は,企業人としてJASTの改革に努力され,多くの成果を残されました.規程類の整備や委員会の再編など枚挙にいとまがありません.その中でPDCAについてご紹介させて頂きます.第61期から各委員会において課題解決計画を作成し,実行可能なことから着実に実施することに致しました.例えば編集・出版委員会では出版までの期間を大幅に削減する改革を進めました.第62期は実行及びチェックの作業をさらに推進することとなります.国立大学においても中期計画でPDCAは唱えられ,書類上はその活動が進んでいることになっています.しかし実態は実行可能な範囲内で計画を立案し,数だけ合わせて報告書を作成しています.1サイクルでスパイラルアップしていません,と言うよりは仕事が増えるのでしてはいけないのです.大学予算の総額が削減される中で縦割りのお役所仕事となっているため,ある事業がスパイラルアップしてもそれを支える予算も人手も無く,もしそこを上げると他の事業を下げる必要があり,お役所では最も忌み嫌われることになります.しかし,学会はお役所ではありません.基本的にそれが好きな人間が集まるところです.会員数が増えれば,予算も人手も増えます.好きで集まっている組織は効率的で活力があり楽しいものであるべきです.そのためには従来のやり方を踏襲せず,痛みを伴うかもしれない改革を実行すべきです.私が会長になれば今進んでいるPDCAがうやむやになると期待している方がいるかもしれませんが,そのようなことはありません.

 会長として私が是非心がけたいことは,会員増強・会員サービス向上・若手の活躍・世界でのJASTのプレゼンス確立です.会員増強は言うまでもありませんが,増やした会員が学会に参加して満足しなければ意味がありません.会員サービス向上案として私の1つの提案は,「トライボ・アピールコーナ」をトライボロジー会議に設けることです.「logy」が無いのは「理屈は度外視してOK」の意です.学会発表までにはならないが「こんなアイディアがあります.一緒にやりませんか」,「こんな結果が出ました」をA4用紙1枚に書いて,掲示板に貼るだけです.また,若手の活躍を後押しします.古手の労力軽減が下心にありますが,若手が活躍してこそ学会に活力が生まれます.世界でのJASTのプレゼンス確立は今こそ進めるべき課題です.そのツールとしてTribology Onlineがあります.

 JASTのあるべき姿は,活躍できる場・利用できる場・楽しめる場と考えます.大学の人間が活躍できる場であることは当然ですが,企業の方も新しくできた「技術論文」にも投稿し活躍してください.そして技術や製品のアピールに利用してください.学会で楽しんでください.今年もサステイナブルトライボロジー会議2017奄美を企画しました.大いに楽しんで頂けるようにと準備しています.

 最後に,62期の役員,会員の皆様のご支援とご鞭撻を心よりお願いし,挨拶とさせて頂きます.


 ここで述べさせていただいた私見に関しましてご意見などお持ちの方が多くいらっしゃると思います.ご意見をpresident@tribology.jpまでお送りいただければ幸いです.また,トライボロジー学会のサービスのあり方に関するご意見などもぜひお寄せください.併せてお願い申し上げます.

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