ヤングトライボロジストシンポジウム/トライボロジー会議2021秋 松江

開催趣旨

 トライボロジー学会の次世代を担うヤングトライボロジストの皆様が大学・企業の垣根を超えて横のつながりを強くし,ご講演や交流会を通じて将来目指す姿や学会とのかかわりを考えるきっかけづくりとすることを目的に開催致します.本シンポジウムは,企業・大学でご活躍されている若手研究者によるご講演と講演者交流会の2部構成となっております.講演者交流会では,テーマに沿って講演者とファシリテーターが中心に進行致しますが,皆様からのご質問も大歓迎ですので是非ご参加ください.
 本シンポジウムは,若手だけでなく先輩トライボロジストの皆さまもご参加頂けます.トライボロジー会議に参加登録されている方はどなたでもご参加頂けますので,ぜひお気軽にご参加ください.

開催概要

日時

2021年10月27日(水) 14:00~16:35

開催方法

Web会議システム(Zoom)を用いたオンライン開催

第一部:講演

14:00-14:05 シンポジウム開催趣旨説明

14:05-14:25 講演1 転がり軸受の摩擦トルク低減に関する研究開発
         講演者:株式会社ジェイテクト 獅子原祐樹氏

14:25-14:55 講演2 企業における基礎研究・学会活動について
         講演者:EMGルブリカンツ合同会社 森田美穂氏

14:55-15:15 講演3 奨励賞研究発表とそのエピソード
         講演者:鳥取大学大学院工学研究科 石川功助教

※ページ下部に講演サマリーを掲載しています

第二部:講演者交流会

15:25-15:30 交流会説明

15:30-15:50 交流会1 テーマ:軸受に関する研究、講演質疑
         講演者:株式会社ジェイテクト 獅子原祐樹氏
         ファシリテーター:ENEOS株式会社 酒井一泉氏
         内容:軸受に関する研究や,企業研究特有の難しさ,そして企業研究の醍醐味などについて
            お話頂きます.

15:50-16:10 交流会2 テーマ:企業における研究と学会活動について,講演質疑
         講演者:EMGルブリカンツ合同会社 森田美穂氏
         ファシリテーター:日産自動車株式会社 奥田紗知子氏
         内容:企業研究と学会活動について(メリット/デメリット等),ご講演者の実体験を元に,
            お話いただきます.

16:10-16:30 交流会3 テーマ:大学での研究活動について、講演質疑
         講演者:鳥取大学大学院工学研究科 石川功助教
         ファシリテーター:大分大学 大津健史准教授
         内容:奨励賞受賞論文について,現在のご研究,大学教員になったきっかけなどをお話し頂きます.

16:30-16:35 終了挨拶

参加確認アンケート(任意)

 トライボロジー会議に参加登録されている方は,どなたでもご参加いただけます.アンケートは,参加人数と質問内容の事前把握のため用意致しました.任意ですが簡単な内容ですのでご回答いただけますと幸甚です.もちろん当日参加も大歓迎です!
参加確認アンケート締切:2021年10月25日(月)

【アンケートフォーム】下記のMicrosoft Formsよりご回答ください.
https://forms.office.com/r/gvgmBqb6vM

上記フォームより入力できない場合は下記のアドレスに連絡ください.
ikuko.nakaya.6670@idemitsu.com
(オーガナイザー:出光興産(株)潤滑油二部 営業研究所 中谷幾子)

講演サマリー

【講演1 転がり軸受の摩擦トルク低減に関する研究開発(株式会社ジェイテクト 獅子原祐樹氏)】
 転がり軸受は「産業の米」とも呼ばれており,環境問題対策,CO2排出量削減,エネルギー効率向上などが求められる多くの産業機械で必要不可欠な部品です.例えば,自動車においては1台当たり転がり軸受が100個以上用いられており,摩擦トルク低減によって低燃費化に貢献しています.本講演では,まず転がり軸受の摩擦トルク低減に関する取り組みをご説明いたします.その後具体的に,課題解決のため,摩擦トルク発生要因を解析し,それに基づく設計指針により大幅な摩擦トルク低減を達成した研究について,苦労話を交えてお話しいたします.さらに,企業研究におけるトライボロジー技術の活用事例などもご紹介いたします.

【講演2 企業における基礎研究・学会活動について(EMGルブリカンツ合同会社 森田美穂氏)】
 私はEMGルブリカンツのトライボロジ研究所に所属しており,新卒で配属されてから5年目の現在まで自動車用潤滑油の研究・開発に従事してきました.また,21年春・21年秋のトライボロジー会議の実行委員を担当しています.本講演では,(1)企業での基礎研究の意義と若手研究者に期待されていること (2)学会活動のメリット (3)私の担当している基礎研究 についてお話したいと思います.
(1)企業において基礎研究は製品開発に直結するものではありませんが,潤滑油の作用機構を掘り下げて研究することは新しい技術開発の芽を育てることと言えます.若手研究者には,技術の芽を大きく開花させるための新しい風となる役割を期待されていると感じています.
(2)学会運営に関わることで,通常の発表だけでは得られない大学の先生・他企業の専門家との繋がりを形成でき,私自身が成長することで研究所の基盤研究のレベルアップにつながります.また,培った人脈は,プロジェクト推進にも活用できます.
(3)アコースティックエミッション(AE)技術を用いて添加剤反応と摩耗進行メカニズムを解析し,潤滑油の低粘度化で課題となる耐摩耗性を添加剤技術で解決する手法を検討しています.

【講演3 奨励賞研究発表とそのエピソード(鳥取大学大学院工学研究科 石川功助教)】
 発表の前半では,2020年度トライボロジー学会より奨励賞を受賞しました「a-C:H膜の内部構造と摩擦特性の相関」についてご紹介いたします.a-C:H膜は水素原子を含有した非晶質硬質炭素膜であり,水素含有量や炭素同士のsp2結合・sp3結合の比により多種多様な内部構造をもつa-C:H膜が存在します.本研究ではその内部構造の違いによって機械的特性や摩擦特性がどう変化するかについて発表いたします.また,発表の後半では本受賞に至るまでのエピソードをご紹介いたします.本研究は私の学生時代(修士課程・博士課程)における研究内容ですが,学生時代の研究環境・失敗談や成功談・大学教員になった経緯など学生やヤングトライボロジストのご参考になるお話ができたらと思っております.