トライボロジー会議 2008秋 名古屋

特別講演会
(市民開放,参加費無料)

 

日時:2008年9月17日(水)15:15〜17:15
会場:名城大学天白キャンパス共通講義棟N館1階 名城ホール

(〒468-8502 愛知県名古屋市天白区塩釜口1-501)

 

 

l        特別講演 その1 「ナノの世界を視る」

飯島 澄男 氏 (名城大学大学院理工学研究科教授,名古屋大学特別招聘教授,産業技術総合研究所/ナノカーボン研究センター長,及びNEC特別主席研究員)

 

カーボンナノチューブ(CNT)の興味は,基礎科学と工業的応用まで多岐に渡り,多くの研究者が注目している.CNTのナノメートルサイズ構造体であること,電気的,熱的,機械的特性,化学的安定性,バイオ物質との適合性など通常の材料にはないユニークな特性をもつことがその理由である.CNTの特性は,太さ,らせん度,完全度に依存するため,これらの制御が検討課題になっている.CNTの物性評価方法も多岐に渡り,ラマン散乱分光,蛍光発光,プローブ顕微鏡,透過型電子顕微鏡などがよく使われている.ナノテク材料の開発研究においては,物質の詳細な原子構造を理解することが研究の第一歩であり,CNTの場合には電子顕微鏡が重要な役割を演じている.筆者はたまたま電子顕微鏡を主に材料研究に従事してきたために,CNT発見の幸運に恵まれたことにもなる.本講演ではCNT材料の電子顕微鏡観察の最新研究を紹介し,物質構造の原子レベルにおける理解の重要性を強調したい.

 

l        特別講演 その2 「Formula 1,その表と裏」

冨田 務 氏 (富士スピードウエイ(株)取締役会長)

 

F1は,オリンピックやサッカーと並び,世界的に人気が高いスポーツショーであり,半世紀前の興行初期に欧州地域のみであったものが,今や17カ国に広がっている.技術面では,たった600kgの車体に700馬力以上のエンジンを載せた車だから,とにかく速いが,これでレースをするチームは,敵より0.1秒でも速く走る為に,エンジン,軽量化,部品配置や足回り技術に加え,最近は空力開発に全精力を注ぐ.今後環境対応もあろう.その結果,これらのハイテク競争が参加チームの資金的負担を増しており,この財政問題が顕在化している.一方,レースだから,技術/運営の規則が必須であるが,この解釈,裁定,新規則つくりという司法的側面も勝敗を決める鍵であり,これが新たな駆け引きを生じている.従って,「技術」に端を発した「財政問題」「司法問題」に関し,関係者間の熾烈な“政治”が,F1という華やかなショーの裏で繰り広げられているというのが現実である.

 

特別講演その2については,講演当日F1マシンの展示も行われます.

 

l        問合せ先
特別講演会 コーディネーター
トヨタ自動車(株)第1材料技術部燃料・油剤・摺動材室 鈴木  厚
TEL: 0565-72-0284 FAX: 0565-72-0501 E-mail:  suzuki@ats.tec.toyota.co.jp


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