トライボロジー会議 2008春 東京

シンポジウムセッション

 

   「トライボロジー会議 2008 春 東京」では,一般講演による通常のセッションのほかに下記の3つのテーマについてシンポジウムセッションを設け, 講演を募ることにしました.趣旨をご理解いただき,ふるってご応募・ご参加ください.なお,これらのシンポジウムセッションにおける講演は, 一般講演とは異なり,必ずしもオリジナル講演に限定せず,整理された2次情報に基づく講演も受け付けます.講演の申込は, トライボロジスト2007年11月号,12月号ならびに2008年1月号に掲載予定の「トライボロジー会議 2008 春 東京(代々木)」の講演申込要領に沿って行ってください.
 2007年春東京より,従来の一般公募型のシンポジウムと併設して,実行委員会が企画するシンポジウムを開催しております. このシンポジウムでは時代の要請に適合するトピックスを数ヶ年にわたって取り上げ,マスコミや一般市民にアピールすることを目指しています. トライボロジー会議2008 春 東京(代々木)では,2007年春に続き地球の環境への負荷軽減に向けた技術の課題と2007春のフォーラムで開催しました地震に 関連する課題を取り上げました.下記の分類番号20,21のシンポジウムがそれに該当します.下記の分類番号22の従来型のシンポジウムとともに, 実行委員会企画の分類番号20,21のシンポジウムについても会員各位のご支援をいただければと思います.


テーマ(1)地球の環境への負荷軽減に向けた技術の展望 (分類番号20)
   
オーガナイザー:
川口 泰宏 出光興産(株)営業研究所
〒299-0107 千葉県市原市姉崎海岸24-4
TEL:0436-61-2502, FAX:0436-61-2017
E-mail: yasuhiro.kawaguchi@si.idemitsu.co.jp
三原 雄司 武蔵工業大学工学部機械工学科
〒158-8557 東京都世田谷区玉堤1-28-1
TEL&FAX :03-5707-2171
E-mail: ymihara@sc.musashi-tech.ac.jp

 地球環境の負荷軽減に対して大きな関心が寄せられております. この問題は,近年の異常気象と地球温暖化の関連の議論が従来より現実的に取り上げられていることでも明らかです. 2008年からは京都議定書に基づく二酸化炭素,メタンをはじめとする温室効果ガスの各国の削減目標が実施されるとともに, 2007年のシンポジウムでも取り上げた環境に悪影響を与える可能性がある材料の製造物への不使用・使用制限もますます厳しくなりつつあります. 本シンポジウムでは上記背景を踏まえてトライボロジー分野における材料や潤滑剤の地球環境負荷軽減に向けた研究開発とともに, 動力・交通システム・物流に関係する地球環境負荷軽減技術や省エネ技術全般を取り上げ,討論を深めたいと考えます. この分野に関連・関心のある方々の積極的なご参加をお待ちしております.

テーマ(2)トライボロジーと地震 (分類番号21)
 
オーガナイザー:
榎本 祐嗣 信州大学繊維学部機能機械学科
〒386-8567 長野県上田市常田3-15-1
TEL:0268-21-5424, FAX:0268-21-5482
E-mail: enomoto@shinsyu-u.ac.jp
平山  修 東京農工大学共生科学技術研究院
〒184-8588 東京都小金井市中町2-24-16
TEL&FAX:042-388-7200
E-mail: hrym@cc.tuat.ac.jp

 近年,地震に対する関心が益々高まりつつあり,トライボロジー学会においても,地震を巨大なトライボロジーシステムと考える視点に立ち, 地震研究との関わりを強めたいと考えています.その第1歩として2007春の地震フォーラムでは, 「地震の発生メカニズム−巨大なトライボロジーシステムの研究最前線」というテーマの下に3人の講師の方に話題提供をしていただき, 活発な議論を行いました.その中では,近年脚光を浴びているアスペリティモデルや地震における摩擦の構成則の問題などトライボロジーとの深いかかわりを 示す諸問題も紹介されました.今回はシンポジウムの形式で,これらの発生メカニズムの問題についての話題を発展させる一方で, 地震研究の実際的で重要な面としての地震予知や免震・制震の問題なども含め, トライボロジー各分野の研究者の方が取り組んでおられる多彩な地震研究の内容や成果を発表していただき活発な討論を展開してゆきたいと考えています. この分野に関心のある方々の積極的なご参加をお願いします.

テーマ(3)摩擦・摩耗試験の手法と意義,その将来
−摩擦摩耗現象はどこまで解明できるのか− (分類番号22)
 
オーガナイザー:
三科 博司 千葉大学大学院工学研究科
〒263-8522 千葉市稲毛区弥生町1-33
TEL & FAX:043-290-3190
E-mail: mishina@faculty.chiba-u.jp
平塚 健一 千葉工業大学工学部機械サイエンス学科
〒275-8588 習志野市津田沼2-17-1
TEL: 047-478-0503, FAX: 047-478-0299
E-mail: hiratsuka@sea.it-chiba.ac.jp

 トライボロジーの分野において摩擦・摩耗試験は重要な意味を持っています. 二つの固体を摩擦させるときの摩擦力(あるいは摩擦係数)や摩耗量を知るにはどうしても摩擦・摩耗試験を行わざるを得ません. それは,現在に至っても摩擦・摩耗現象を説明する理論が存在しないこと,また,我々がある固体間の摩擦力や摩耗量を知ろうとするとき, それまで得られている実験値をそのまま利用することが大変難しい現状があるからです.摩擦方法,摩擦条件,さらに摩擦面への環境物質の作用などは 多種多様で,これらが摩擦・摩耗現象の複雑さをもたらします.しかも世界中で行われている摩擦・摩耗試験の摩擦条件だけを取ってみても, たとえば荷重は10-8〜105 N,速度は10-7〜106 mm/s とその範囲は,実に10兆桁に及んでいます.このような摩擦方法や摩擦条件, さらに固体の表面物理化学などの多様さを考えるとき,自然科学の中の摩擦摩耗現象を実際のトライボロジー技術として応用するためには 実に多くの難題を課せられているといえなくもありません.摩擦・摩耗試験はその基礎から応用まで科学技術の手で明確にしなくてはならないことも確かです. 本シンポジウムは,研究者や技術者が実際に行っている摩擦・摩耗試験の手法と意義をテーマに,摩擦・摩耗試験によって摩擦摩耗現象が どこまで解明できているのか,将来的にどこまでできるのかを議論したいと思います.よく言われるように,たとえばピン・オン・ディスク摩耗試験などの 基礎実験がどこまで実機の実用試験に反映し得るのかも明確にしなければならない問題です.それとともに,摩擦・摩耗試験で難題を抱えておられる方, 将来を見据えた摩擦・摩耗試験にご意見をお持ちの方,摩擦摩耗機構の解明の新たな手法を提案したい方,などなど摩擦・摩耗試験について多くの方々から ご発表いただき議論していきたいと考えています.当日は,本テーマに関連して本会で編集しました単行本「摩擦・摩耗試験機とその活用」の ご案内もしたいと考えています.

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--> Last modified: Nov. 21, 2007

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