シンポジウムセッションのご案内

シンポジウムセッション

「トライボロジー会議 2012春 東京」では,一般講演による通常のセッションのほかに複数のテーマについてシンポジウムセッションを設け, 講演を募ることにしました.趣旨をご理解いただき,ふるってご応募・ご参加ください.
なお,これらのシンポジウムセッションにおける講演は,一般講演とは異なり,必ずしもオリジナル講演に限定せず, 整理された2次情報に基づく講演も受け付けます.
受付は終了しました.

分類番号 S1 「鉄道のトライボロジー」

オーガナイザー:
【小原 孝則】
鉄道総合技術研究所 研究開発推進室 JR部
〒185-8540 東京都国分寺市光町2-8-38
TEL:042-573-7481,FAX: 042-573-7372
E-mail: tknr@rtri.or.jp

【久保 俊一】
鉄道総合技術研究所 材料技術研究部
〒185-8540 東京都国分寺市光町2-8-38
TEL:042-573-7483,FAX:042-573-7331
E-mail: skubo@rtri.or.jp

 環境・エネルギーの観点から鉄道の復権が叫ばれており,九州新幹線の全線開通が大きな注目を集め,東北新幹線の復旧が社会の力となったことは記憶に新しい.鉄道の発展の背景となる高速化,維持管理などの要素技術は多くの摩擦・摩耗・潤滑部分から成り,安全・安定な運行はトライボロジーなくしては考えられない.
 一方,機械要素の信頼性や寿命,車輪/レール間や架線/パンタグラフ間の接触問題等はトライボロジストの取り組みによってより向上する余地がある.また,駅でのサービスや防災など,これまでトライボロジストが大きな関心を持ってこなかった分野にも課題や取り組みがあることが紹介されている.さらに,海外の技術動向や国際規格化の動きからも目を離せない.
 これらの状況を踏まえ,本シンポジウムでは,広く鉄道のトライボロジーに関する様々な項目についての研究開発成果をご披露いただき,現状の課題認識に役立てるとともに,今後の発展の方向を探りたいと考えている.

分類番号 S2 「持続可能な社会の構築とメンテナンス・トライボロジーの役割」

オーガナイザー:
【本田 知己】
福井大学大学院 工学研究科 機械工学専攻
〒910-8507 福井市文京3-9-1
TEL: 0776-27-8925,FAX: 0776-27-8748
E-mail: honda@u-fukui.ac.jp

【藤井 彰】
新日本製鐵(株) 名古屋製鐵所 設備部 機械技術グループ
〒476-8686 愛知県東海市東海町5-3
TEL: 052-603-7455,FAX: 052-603-7456
E-mail: fujii.akira1@nsc.co.jp

【間野 大樹】
産業技術総合研究所 つくば東事業所
先進製造プロセス研究部門 トライボロジー研究Gr
〒305-8564 茨城県つくば市並木1-2-1
TEL: 029-861-7139,FAX:029-861-7844
Email: hiroki.mano@aist.go.jp

 地球環境負荷の低減や社会生活の低炭素化をめざして,さまざまな取り組みが進められる中,機械装置の維持管理,すなわちメンテナンスも,持続可能な社会の構築に不可欠な技術のひとつと位置づけられている.周知のとおりメンテナンスとトライボロジーとの間には極めて密接な関係があり,そこに着目して1986年に創設された「メンテナンス・トライボロジー研究会」も設置25年目を迎えた.
 この分野は,トライボ要素の異常やそれに起因する機械システムの故障のメカニズム解明と,それら異常や故障への対応に関わる技術向上など,その学問としての確立,工学技術への総合的な発展に寄与し,今後も,省エネルギー,コスト削減というトライボロジーの重要な使命を果たすことはもちろん,地球環境の保全にも大きく貢献するものと思われる.
 本シンポジウムでは,工学としてのメンテナンスと実務的な現場技術との連携,メンテナンスの実際および考え方,劣化と耐久性や異常検出・診断に関わる技術など,持続可能な社会の構築に向けたメンテナンスとトライボロジー技術に関する幅広い視点からの発表を期待する.オリジナリティにこだわらず,これまでに発表した情報を整理した内容の講演も歓迎します.

分類番号 S3 「表面テクスチャのトライボロジー」

オーガナイザー:
【佐々木 信也】
東京理科大学 工学部 機械工学科
〒102-0073 東京都千代田区九段北1-14-6
TEL/FAX: 03-5228-8389
E-mail: s.sasaki@rs.kagu.tus.ac.jp

【足立 幸志】
東北大学 大学院工学研究科 機械システムデザイン工学専攻
〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉 6-6-01
TEL/FAX: 022-795-6956
E-mail: koshi@tribo.mech.tohoku.ac.jp

 地球環境問題を背景に,機械システムの摩擦損失低減の要求が高まっている.表面テクスチャリングは,古くより摺動表面の潤滑状態改善に有効であることが知られており,最近では様々な加工プロセスを用いた研究開発が活発化している.機械部品に表面テクスチャリングを施す加工方法には,機械除去加工,化学エッチング,サンドブラスト,レーザ微細加工などが工業的に用いられているが,これまでの研究開発では,単一加工による加工精度,加工領域の制限された中でのテクスチャリング効果がそれぞれ断片的に調べられてきたに過ぎない.そのため,テクスチャリングによるトライボロジー特性改善に効果については,系統的な設計指針はなく,テクスチャによる流体潤滑効果に関するシミュレーションひとつを見ても,理論的な裏付けさえ十分に議論されていないのが現状である.
 一方で,テクスチャリングは,機械部品の表面仕上げという根本的な問題にも大きく関わっている.すなわち,軸受摺動面はもとより金型の表面での剥離性などに表面粗さの大きさや方向性がどのように影響を及ぼすのか?また,表面仕上げをどのように設計し,その品質を管理すべきかなどの問題も,実は古くて新しい問題としてクローズアップされつつある.
 そこでシンポジウムでは,ナノスケールからマクロスケールまでのテクスチャリングをシームレス(マルチスケール・テクスチャリング)に捉えることで,表面粗さを含むテクスチャリング設計技術の体系化に向けた議論と意見交換を行う.