機能性コーティングの最適設計技術研究会

本研究会は,CNx,DLC等の硬質炭素系皮膜および二硫化モリブデン等の固体潤滑皮膜を実用化する上で重要となるコーティングの最適設計技術の向上を目指し,幅広い分野の研究者・技術者が集い,トライボロジー会議でのシンポジウムの開催や研究会での話題提供と討論を行なっています.

2024年度の活動状況

【活動報告1】
2025年4月18日に固体潤滑研究会との合同研究会 in 名城大学を開催いたしました.
固体潤滑研究会から2件,機能性コーティングの最適設計技術研究会から2件の講演をそれぞれ行いました.
(1)特異なCore-Rim微細構造を有する超高温用耐熱工具材料およびその工具の開発:村上 敬氏(産業技術総合研究所)
(2)スズ基薄膜の自己潤滑性:宇佐美初彦氏(名城大学)
(3)Chemical Mechanical Polishing(CMP)の原理とその見える化が切り拓くイノベーション:畝田道雄氏(岐阜大学)
(4)表面プラズモン共鳴顕微鏡を用いた接触面観察:前川 覚氏(名古屋工業大学)

2024年度の活動状況

【活動報告3】
2025年3月24日に,今年度(17期)第2回会合を岐阜大学で開催しました.今回は中国清華大学・教授(国家重点実験室)の孟永鋼先生より,清華大学の特色やトライボロジーに関する話題をご提供いただきました.
孟先生は,今月いっぱいまで名古屋大学に招へい研究者としてご滞在されていますので,幸運にもこのような機会を持つことができました.孟先生は熊本大学で博士の学位を取得されており,日本語も堪能でいらっしゃいますので,当日のご講演は日本語で行われました.
世界の先端研究・産業技術の極である中国の,そのまた中心である清華大学の研究環境等について興味をお持ちの方にとっても良い機会となったかと思います.
個人的には,ここ30年、清華大学が(当然ですが)意図的・計画的に成長拡大を続けてきたヒストリーが印象に残りました.同じ期間に、ある意味日本で同じような歩みを続けたのが(唯一?)日本サッカーだと思います.
くしくも数日前に川淵三郎氏のTVインタビューを傾聴しており,2050年までに世界一になること(日本サッカーの場合W杯制覇)がターゲットであるという点は、清華大学の過去-現在-未来に関するMENG先生のお話と本当に重なって聞こえました(ちなみにMENG先生には”独裁者”と呼ばれるような要素は微塵もありません.先生を知る人にはわかると思いますが、普通の大学教授よりも少ないくらいです).

 清華大学をたたえるだけだと悔しいので日本人として一言.(悔し紛れに言うと)清華大学の発展は中国の高度経済成長と歩みを共にしました.ひる返って日本サッカーの成長の30年の間はどうだったでしょうか?ある意味逆風のような環境下で同レベルの急速成長を遂げた日本サッカーの関係者の皆様に対しては深い敬服の念を禁じえません.我々は同じ日本人としてそれを誇りにし、大いに参考にさせていただきましょう.中国・清華大は、、米国○○は、、、などと言わなくても同じ日本人が成し遂げたことのほうがより参考になるのでは?(17期主査 上坂記)

【活動報告2】
2025年3月14日にトライボロジー合同研究会 in 加賀温泉を開催いたしました.
大同工業株式会社様の本社工場を見学させていただき、引き続き4件の講演を聴講しました。
(1)往復動摩擦試験機によるチェーン用グリースの潤滑特性評価:新潟大学 月山 陽介 先生
(2)チェーンとトライボロジー:幅広い産業を支える摩擦と摩耗技術:大同工業株式会社 関 秀明
(3)摩擦発電機のトライボロジー分野への応用:東京都市大学 崔 埈豪 先生
(4)表面プラズモン共鳴を利用した油膜圧力計測と添加剤吸着挙動観察:名古屋工業大学 糸魚川 文広 先生
工場見学及び研究会には33名が参加し、その後の技術交流会には30名が参加しました。

共催:日本海トライボロジー研究会(JAST),自動車のトライボロジー研究会(JAST)
   機能性コーティングの最適設計技術研究会(JAST),東海トライボロジー研究会

【活動報告1】
2024年11月1日にトライボロジー会議2024秋(名護)にてシンポジウム「炭素系硬質薄膜の潤滑油中・真空中におけるトライボロジー特性」を開催いたしました.
本シンポジウムでは6件の講演をいただき,大気中や真空中,水潤滑中,アルコール潤滑中など様々な環境下でのドライコーティングの摩擦特性に関する研究事例が報告されました.

2023年度の活動状況

【活動報告2】
2023年9月27日にITC Fukuoka2023にてオーガナイズドセッションを開催いたしました.
Plenary TalkではFraunhofer Institute for Material and Beam Technology(Germany)のDr. Volker Weihnacht氏による”Development of High-performance ta-C-based Coatings for Tribological Applications using Laser-arc Technique”の発表を行いました.
2023年9月28日からはDLC and Carbon Related Coatingsのセッションを開催し,固体潤滑研究会及び高分子材料のトライボロジー研究会と合同開催のTechnical Sessionを実施いたしました.

【活動報告1】
2023年7月6日に名古屋大学において「第16期 第1回(通算21回)会合 機能性コーティングの最適設計技術研究会」を開催いたしました.
機能性コーティングの工具適用事例として多結晶CVDダイヤモンド・コーティング工具及び最適設計のためのラマン分光分析に関して,劉 暁旭 氏(名古屋工業大学),野老山 貴行 氏(名古屋大学)からの話題提供を実施いたしました.
また,講演後は名古屋大学の梅原研究室の見学会を実施いたしました.

2022年度の活動状況

【活動報告2】
2022年11月16日に名古屋大学において「第15期 第2回(通算20回)会合 機能性コーティングの最適設計技術研究会」を開催いたしました.
機能性コーティングの最適設計のための研究開発を支える先進表面分析技術に関して,特にラマン分光分析の話題にフォーカスし,鷹林 将 氏(有明工業高等専門学校),沼田 俊充 氏(株式会社日産アーク),山口 誠 氏(秋田大学),野老山 貴行 氏(名古屋大学)からの話題提供を実施いたしました.
また,講演後は名古屋大学の梅原研究室の見学会を実施いたしました.
(詳細は,下方にリンクの「第15期第2回(通算第20回)会合開催のご案内」をご覧ください)

第15期第2回(通算第20回)会合開催のご案内 [pdf:225.3KB]

【活動報告1】
2022年9月5日に宇都宮大学において「第15期 第1回(通算19回)会合 機能性コーティングの最適設計技術研究会」を開催し,23名の参加者が聴講しました.
潤滑油添加剤MoDTCとの反応性を高めたDLC膜や,炭素系ナノ粒子による低摩擦化技術,スパッタ薄膜を用いた固体表面接触部の測定技術にフォーカスし,馬渕豊氏(宇都宮大学),川口尊久氏(宇都宮大学)からの話題提供を実施いたしました.
また,講演後は宇都宮大学の馬渕研究室および川口研究室,宇都宮大学分析センターの見学会を実施し,研究会後は技術交流会を開催いたしました.
(詳細は,下方にリンクの「第15期 第1回(通算19回)会合開催のご案内」をご覧ください)

第15期 第1回(通算19回)会合開催のご案内

2021年度の活動状況

【活動報告】
2022年3月2日にWEB会議において「第14期 第1回(通算18回)会合 機能性コーティングの最適設計技術研究会」を開催しました.
当該会議では,最大時で14名の参加者が聴講しました.
本研究会では様々な表面改質技術にフォーカスしつつ,大学研究機関様や企業様より最先端の改質技術について,清水徹英氏(東京都立大学),芹澤愛氏(芝浦工業大学),小田原玄樹氏(ハドラスホールディングス)からの話題提供を実施いたしました.

第14期第1回(通算第18回)会合開催のご案内 [pdf:179.0KB]

2020年度の活動状況

【活動報告】
2021年2月28日にWEB会議において「第13期 第1回(通算17回)会合 機能性コーティングの最適設計技術研究会」を開催しました.
当該会議では,最大時で32名の参加者が聴講しました.
金属ドープDLC膜による水素中・湯中の超低摩擦現象および、企業様による最先端の成膜技術にフォーカスし、田中宏昌氏(九州大学),馬渕豊氏(宇都宮大学),磯村良幸氏(神戸製鋼所)からの話題提供を実施いたしました.
(詳細は,下方にリンクしたPDF「第13期第1回(通算第17回)会合開催のご案内」をご覧ください)

第13期第1回(通算第17回)会合開催のご案内 [pdf:155.4KB]

2019年度の活動状況

【活動報告3】
2019年9月17日~18日に,International Tribology conference, Sendai 2019においてシンポジウム「New coating technology boosting tribological performance」を主催しました.
MitjanKalin先生,Ali Erdemir先生から機能性コーティングの最新研究成果に関する招待講演を頂戴し,さらに各国参加者より22件の一般講演が行われました.
9月17日のセッション後には,旧伊達邸鍾景閣にて発表者,聴講者のための懇親会を開催した.
元トライボロジー学会会長,加藤康司先生からのご挨拶を皮切りに,仙台箪笥料理に舌鼓を打ちながら,米国,オランダ,ドイツ,スロバキア,中国,台湾,韓国,マレーシア,日本から参加の総勢33名で情報交換を行いました.

【活動報告2】
2019年7月23日に東京都立産業技術研究所において「第16回 機能性コーティングの最適設計技術研究会」を開催しました.
スマートサーフェスをキーワードとして,村島基之博士(名古屋大学),大園拓哉博士(産総研),からの話題提供を実施いたしました.
(詳細は,下方にリンクしたPDF「第12期 第1回(通算第16回)会合開催のご案内」をご覧ください)

【活動報告1】
2019年5月22日にトライボロジー会議春東京において,境界潤滑研究会と合同「シンポジウム:境界潤滑下における固体表面の最適設計技術(基調講演2件+一般公演4件)」を共催しました.

機能性コーティングの最適設計技術研究会メンバー

【研究委員会選出委員】
・主査:上坂 裕之(岐阜大学)
・幹事:野老山 貴行(名古屋大学)
・幹事:徳田 祐樹(東京都立産業技術研究センター)