シンポジウムセッション

シンポジウムセッション

 「トライボロジー会議2018春 東京」では,一般講演による通常のセッションのほかに,複数のテーマについてシンポジウムセッションを設け,講演を募ります.下記の各シンポジウムの趣旨をご理解いただき,ふるってご応募・ご参加ください.なお,これらのシンポジウムセッションにおける講演は,一般講演とは異なり,必ずしもオリジナル講演に限定せず,整理された2次情報に基づく講演も受け付けます.講演の申込は,会誌トライボロジストならびに学会ホームページの「トライボロジー会議2018春 東京」の講演申込要領に沿って行ってください.

分類番号 S1 「自動車軽量化のためのトライボロジー技術」

オーガナイザー
鈴木 厚: アイシン・エーアイ株式会社
馬渕 豊: 日産自動車株式会社

自動車の燃費向上、走行性能向上のため軽量化が求められており,ボディーだけではなくパワートレイン等の運動部品への要求も高まってきている.そこで本シンポジウムでは軽量化実現のための材料置換,表面処理,摩擦材・潤滑剤改良,テクスチャリング付与等を実現させるためのトライボロジー技術・研究を取り上げる.

分類番号 S2 「表面テクスチャによるトライボ特性の制御」

オーガナイザー
佐々木 信也: 東京理科大学
足立 幸志:  東北大学
是永 敦:   産業技術総合研究所

地球環境問題やエネルギー問題を背景として,機械システムのエネルギー効率向上が喫緊の課題となっている.表面テクスチャリングは,古くより摺動表面のトライボロジー特性改善に有効であることが知られており,最近では様々な加工プロセスを応用した研究開発が活発化している.しかしながら,テクスチャリングによるトライボロジー特性改善に効果については系統的な設計指針はなく,一方では機械部品の表面仕上げという根本的な問題にも大きく関係している.
本シンポジウムでは,ナノスケールからマクロスケールまでのテクスチャリングをシームレスに捉え,マルチスケールの観点から表面テクスチャとトライボロジーとの関係について,最新の研究成果をもとに議論を行う.そこで,表面テクスチャに係わる表面修飾・創製,各種加工プロセス,性能評価および潤滑状態の理論解析等に取り組んでいる研究者はもとより,具体的なアプリケーション開発に携わる技術者との融合が図れるよう,なるべく多くの方々の参加と活発な討論を期待する.

分類番号 S3 「熱効率向上・CO2削減に向けたエンジン(パワートレイン)のトライボロジー」

オーガナイザー
三原 雄司: 東京都市大学
藤田 貴也: 日立オートモティブシステムズ株式会社
村上 元一: トヨタ自動車株式会社

自動車の環境性能の一層の向上が求められている.電気モーターのみの“電気自動車”へのシフトは着実に進むと思われるが,世界全体を見据えた自動車の動力源の将来予測を見ると,2030年におけるエンジン単体やエンジンと電動モーターによるハイブリッド型の動力源は80%を超えることが現在も変わらず予想される.即ち,エンジンを併用するパワートレインは2030年以降も見据えた技術開発が求められ,様々な課題に対する革新的な基礎研究の応用も期待されている.エンジンの熱効率の向上には,革新的な燃焼法の研究/開発をはじめ,エンジン制御技術の開発,エンジン開発用の革新的解析モデルの構築が必要であるが,冷却損失や排気エネルギーの有効利用及び摩擦損失の低減などの基本的な損失低減技術も重要であり,府省連携の革新的創造プログラムSIPでもこれらの課題が重点項目として取り上げられている.
表題に掲げた”エンジンのトライボロジー”は,急速燃焼やダウンサイジングなどを受け止め,摩擦低減と耐久性を兼ね備えた性能を発揮することを要求され,流体潤滑域での摩擦低減に有効な潤滑油の低粘度化と効果的な添加剤の配合に加え,エンジンのしゅう動面の表面性状,形状,狭面積化,固体潤滑剤コーティング,表面テクスチャリングやディンプルなどの更なる最適化の推進も摩擦低減技術の対象とされている.一方で,潤滑油消費や焼付きリスクなど,背反事象となる課題への対応も欠かせない.そこで本シンポジウムでは熱効率向上・CO2削減に向けたエンジンのトライボロジーの話題をエンジンを構成する幅広い部品および潤滑剤を対象として提供いただき,議論を通して今後の課題などの理解を深めていきたいと考えている.

分類番号 S4 「摩耗研究会50周年シンポジウム - 摩耗研究会50年の歩みと摩耗研究の変遷」

オーガナイザー
平塚 健一: 千葉工業大学
長谷 亜蘭: 埼玉工業大学

「摩耗研究会」は,1968年に曽田範宗先生を部会長とする「摩耗研究部会」として設置されたのが始まりである.同部会発足の翌年には,大阪において「第1回摩耗シンポジウム」が開催され,以後,1978年までの10年間に毎年シンポジウムが開催され,1976年に「摩耗研究会」となり現在に至っている.そして,2018年は摩耗研究部会の発足から50 周年の節目を迎える.本シンポジウムでは,摩耗研究会50年の歩みを振り返りながら,摩耗モデルの変遷,摩耗計測法の進化,諸摩耗現象の研究などについて話題提供をいただく.今後さらなる摩耗研究の躍進のために,本シンポジウムを現状の問題点の議論やその解決法の議論の場としたい.

分類番号 S5 「トライボケミストリーの最前線」

オーガナイザー
中山 景次: メゾテクノロジー研究所
吉成 照:  協同油脂株式会社
甲嶋 宏明: 出光興産株式会社

多くのトライボロジー問題にはトライボケミストリーが深く関与していると考えられる.しかしながら,様々な因子が複雑に絡みあっているため,トライボケミストリーの解析は容易ではない.前回のトライボケミストリーのシンポジウムからほぼ9年が経過し,この間に,多岐にわたるトライボケミストリーのその場新計測技術が開発され,多くの注目すべき新たな知見が獲得されている.そこで,本シンポジウムにおいては,この機会に,トライボケミストリーの最新の知見を発表して頂き,討論を通じて,この分野の学問を深め,新たな技術開発に貢献したい.