グリース研究会

グリース研究会について

 グリース研究会は,昭和45 年5 月26 日にトライボロジー学会の前身の日本潤滑学会の理事会にて承認され,現在に至っている.当時,国内におけるグリースの各種性能の評価として,一般的な試験方法についてはJIS K2220に制定されていたものの,実用性能を評価する潤滑寿命の試験についてはJISの規定はなく,各社各様の評価手段を用いていたことからバラツキが多く整合性に乏しい状況であった.そこで,標準的な試験方法の確立とグリース全般の技術の発展を目的に,産学共同で発足され,今日まで様々な研究テーマを掲げ活発に活動を行っている.

グリース研究会メンバーおよび活動概要

69期-70期:主査・幹事

【主査】 日本精工㈱ 外尾 道太
連絡先:hokao@nsk.com
【幹事】 コスモ石油ルブリカンツ㈱ 山本 邦治
連絡先:kuniharu_yamamoto@cosmo-oil.co.jp

構成メンバーと活動概要

 グリース研究会は,現在3名の学識経験者と,14の企業の代表者にて構成されており,年に1回の地方大会を含めて定期的な報告会を四半期毎に実施し,毎回闊達な議論や意見交換が行われています.また,当研究会の基礎研究で得られた成果については,トライボロジー学会誌への投稿,およびトライボロジー会議や,ITCまたはWTCなどのシンポジウムにて披露しています.

グリース研究会 活動の歴史

・1970年 5月に”グリース研究部会”を設立(委員11名).
・1970年11月:第1回グリース研究部会開催.
・1971年 3月:第3回グリース研究部会にて,ASTM D1741型グリース寿命試験機を用い照合試験を実施する事を決定.
・1974年 4月:潤滑19(4)にてグリース特集号を発刊.
・1974年 7月:曽田式試験機による寿命照合試験を追加.
・1975年 5月:第1種研究会“グリース研究会”として発足.
・1989年12月:研究委員会へ第1種研究会としての継続の要望書を提出.
・1992年 2月:富山(不二越)で研究会開催/初の地方開催.
・1993年10月:NLGI 60th Annual Meetingでグリース研究会の研究内容を発表.
・1994年 6月:第2種研究会 “グリース研究会” に移行.
・1997年 5月:トライボロジー会議1997春 東京でシンポジウム『潤滑グリース』を開催.
・1998年 5月:トライボロジー会議1998春 東京でシンポジウム『潤滑グリース』を開催.
・2000年 4月:グリース研究会設立30周年記念誌を発行,
       トライボロジストに『グリース研究会30年の歩みと今後の活動』(Vol.45,9 号 709 頁)を掲載.
・2000年10月:ITC長崎2000でシンポジウム『Advanced Technology of Lubricating Grease』を開催.
・2005年 5月:ITC神戸2005でシンポジウム『Advanced Technology of Lubricating Grease』を開催.
・2007年 2月:工学書『潤滑グリースの基礎と応用』第1版を発行(養賢堂).
・2007年 5月:トライボロジー会議2007春 東京でシンポジウム『潤滑グリースの基礎と応用』を開催.
・2009年 9月:第4回WTC京都でミニシンポジウム『Innovative study of lubricating grease』を開催.
・2011年10月:ITC広島2011でシンポジウム『The Advanced Lubricating Grease technology』を開催.
・2013年 5月:トライボロジー会議2013春 東京でシンポジウム『潤滑グリースの基礎と応用』を開催.
・2015年 5月:トライボロジー会議2015春 姫路でシンポジウム『グリース潤滑の最近の研究動向』を開催.
・2015年 5月:トライボロジストに『転がり軸受用グリースの潤滑寿命』の特集記事を掲載(Vol.60 )5 号 288 頁.
・2017年 5月:産学協同研究会に移行.
・2017年11月:トライボロジー会議2017秋 高松でシンポジウム『グリース潤滑の最近の研究動向』を開催.
・2019年10月:ITC仙台2019でシンポジウム『Latest Technology Trends for Lubricating Greases』を開催.
・2020年 1月:トライボロジストに『グリース分野の最新動向』(Vol.65,1号 3頁)を掲載.
・2020年 2月:50周年記念誌発刊,および50周年記念祝賀会計画(新型コロナウイルス (COVID-19)感染拡大により延期)
・2021年 3月:bmt(Bearing Motion Tec)3月号に『転がり軸受におけるグリース寿命の共同研究—JASTグリース研究会の活動』を掲載.
・2023年 9月:ITC福岡2023でシンポジウム『Latest Technology Trends for Lubricating Greases』を開催.
・2024年 1月:50周年記念祝賀会を開催予定.

書籍出版

日本トライボロジー学会グリース研究会編『潤滑グリースの基礎と応用』
 本書は,グリース潤滑技術の専門家のみならず,潤滑技術に関心のある技術者・研究者,そしてこれからグリース潤滑を学ぼうとする初心者をも対象とし,常に進化するグリースの最新情報を取り入れ,潤滑グリースの歴史から始まり,先端かつ高度な内容まで分かりやすく解説した.教科書としても実用書としても活用できる座右の書.
2007年2月 5日      第1版第1刷発行
2008年9月25日      第1版第2刷発行
2014年6月30日(訂正)  第1版第3刷発行

養賢堂HP

潤滑グリースの基礎と応用