特別講演会

特別講演会

 日本のおへそ,日本海側の中央に位置する福井県は幸福度ランキングで2020年度版まで4回連続「総合1位」となったことでも知られており,歴史・自然・文化を楽しめるスポットが多くあることや,古くから愛される食,匠の技が活きる伝統工芸などの魅力がいっぱいある県です.福井県と言えば国内随一の恐竜化石の発掘地であり,「動」の太古のロマンを感じることができる恐竜博物館が有名ですが,「静」の太古のロマンを感じることができる年縞博物館が4年前の2018年に開館しました.特別講演の1件目は歴史学に欠かせない年代決定の世界標準のモノサシに採用された「年縞」の魅力について,年縞博物館特別館長の山根先生にお話しいただきます.それとは対照的に,特別講演の2件目は宇宙のロマンを感じる「超小型人工衛星」の魅力について,実際に開発・製作を行っている福井大学の青柳先生にお話しいただきます.自治体主導の人工衛星として全国初となった福井県民衛星「すいせん」は,福井県のお家芸でもある産学官連携開発の象徴的取り組みです.
 
開催日時 2022年11月10日(木)15:00~17:00
会   場 フェニックス・プラザ 2階小ホール(A会場)
      〒910-0018 福井県福井市田原1丁目13番6号
参 加 費 無料.非会員の方の聴講も歓迎します.

ミーティングID 899 0918 4785
パスコード 263395
  • 講演1

    【奇跡の湖、水月湖の年縞と年縞博物館の奮戦】

    [講演者]
     山根 一眞 先生
     福井県年縞博物館 特別館長
     福井県立大学客員教授

    [講演要旨]
     福井県の三方五湖で最大の湖,水月湖の水深34mの湖底には,1年刻みで縞々をなす泥,年縞(ねんこう)が45m,1年の欠けもなく7万年分が堆積していた.世界では例がなく水月湖は奇跡の湖と呼ばれている.2006年,日欧の科学者によって45mの堆積層の完全なボーリングに成功,数年をかけて解析.堆積層の炭素14データにより水月湖年縞は考古学,歴史学に欠かせない年代決定の世界標準のモノサシ(IntCal)に採用された.その科学成果を伝えるため2018年,福井県は年縞博物館を開館.2021年には日本の5700余の博物館からNo.1の評価をいただき日本博物館協会賞を受賞した.水月湖年縞と年縞博物館の奮戦をご紹介します.

  • 講演2

    【福井県製造の超小型衛星が切り拓く未来】

    [講演者]
     青柳 賢英 先生
     福井大学 基盤部門 産学官連携本部 特命准教授

    [講演要旨]
     近年,超小型衛星の開発が活発に行われており,その機数は全世界で加速的に増えています.福井県では,2021年3月に福井県民衛星「すいせん」を打ち上げ,自治体主導の人工衛星としては全国初となりました.また,福井県では産学官連携体制で数kgの超小型衛星の多数機製造を行っています.超小型衛星のシステムを標準化することにより,手軽に利用できる衛星を開発しており,新しい宇宙利用のプレイヤーを増やすきっかけにも繋がってきています.大学などの研究機関が取り組む研究課題の早期宇宙実験や,宇宙ビジネスへの参入を目指す企業の新規参入の敷居を下げ,より活発に宇宙利用が進められることが期待されています.本講演では,福井県が取り組む超小型衛星の開発成果や将来展望について述べます.

  • 司 会

    本田 知己 氏
    福井大学 学術研究院工学系部門
    トライボロジー会議2022秋 福井  実行委員長

  • 問い合わせ先

    「トライボロジー会議 2022 秋 福井」実行委員会 事務局
    TEL:03-3434-1926  E-mail:2022fukui@tribology.jp