シンポジウムセッション

シンポジウムセッション

 「トライボロジー会議2022 秋 福井」では,一般講演による通常のセッションのほかに,複数のテーマについてシンポジウムセッションを設け,講演を募ります.下記の各シンポジウムの趣旨をご理解いただき,奮ってご応募・ご参加ください.
 なお,これらのシンポジウムセッショ ンにおける講演は,一般講演とは異なり,必ずしもオリジナル講演に限定せず,整理された2次情報に基づく講演も受け付けます.講演の申込みは,会誌トライボロジストならびに学会ホームページの「トライボロジー会議2022 秋 福井」の講演申込要領に沿って行ってください.また,オーガナイザーより講演を依頼された本会非会員の方は,オーガナイザーの指示に従って講演の申込みを行ってください.

分類番号 S1 「自動車のトライボロジー技術の最前線」

オーガナイザー
本田 崇 :株式会社デンソー
犬飼 恭司:株式会社デンソー

 自動車業界のカーボンニュートラル,燃料多様化,電動化,水素活用等の変革に対し,トライボロジー技術は非常に重要な役割を担う.本シンポジウムでは,自動車のトライボロジー関係者が一堂に会し,最新の自動車のトライボロジー技術についての講演をまとめて実施し,トライボロジー視点で多種多様な議論を行うことで新たな発想や提案を引き出すことを目的とする.

分類番号 S2 「境界潤滑膜の現在と未来」

オーガナイザー
境界潤滑研究会
青木 才子:東京工業大学
田川 一生:ENEOS株式会社

 歴史的には1920年頃にスタートした境界潤滑の研究であるが,約100年の歳月を重ねた現在においても,多種多様な観点から境界潤滑現象が注目され,現在も多くの未解明な課題を抱えている.例えば,近年,炭酸ガス排出抑制に寄与する摩擦低減が求められているが,粘性抵抗を低減する目的での低粘度化はしゅう動条件によっては従来の潤滑状態よりも厳しくなるという問題も顕在化している.このような接触状態において,境界潤滑膜は金属の直接接触を抑制し機械の損傷を軽減するとともに摩擦を低減する重要な役割を果たす.境界潤滑膜の代表例として,直鎖脂肪酸など油性剤から形成される吸着膜やMoDTCやZnDTPなどの極圧剤から形成される反応被膜などが挙げられ,これらを組み合わせることで広い温度域で摩擦低減効果を維持することができる.しかし,さらなる厳しい接触条件に対応するため,新しい添加剤の開発とともに,材料表面のコーティング・表面処理と添加剤のマッチングなど,様々な技術開発が導入されている.そこで,本シンポジウムでは,既存添加剤および新規添加剤に由来する境界潤滑膜に関する最新技術動向や研究成果をご講演いただき,活発な議論を通して,境界潤滑の科学的かつ技術的な進展に向けた問題提起を実施したいと考えている.

分類番号 S3 「シールにおけるトライボロジー技術」

オーガナイザー
落合 成行 :東海大学
田畠 一二三:株式会社IHI
川村 良一 :株式会社タンケンシールセーコウ
水田 裕賢 :NOK株式会社

 流体の漏えいを防止し,異物の侵入を遮断するシールは,その密封機能によって機械の安定した稼働を支えるだけではなく,環境保護と省エネルギーにも直接関係する重要な機械要素であり,様々な産業分野で使用されている.シールの技術課題には,接触・摩擦・摩耗といったトライボロジーの基本的な課題が多く含まれている.動的シールでは,密封と潤滑という一見相反する作用を両立させる必要があり,シール特有の難しさがある.また静的シールにおいても,着脱時のしゅう動や,温度・圧力の変化による微視的なしゅう動など,トライボロジーの技術課題がある.本シンポジウムでは,シールに関するトライボロジー技術の検討内容や技術課題を発表いただき,参加者との活発な議論を通じて,シール技術のさらなる発展に貢献することを目的とする.最新の研究成果に限らず,これまでの発表内容の整理や,シールに関わる最近の話題や問題提起など,広く発表を募集する.

分類番号 S4 「フラーレン添加油剤の将来展望」

オーガナイザー
宇佐美 初彦:名城大学
伊藤 伸太郎:名古屋大学
是永 敦  :産業技術総合研究所
近藤 邦夫 :昭和電工株式会社


 潤滑油剤へのフラーレン添加は摩擦摩耗低減に寄与することが報告され,そのメカニズムも多様な観点から検討され実機部品での評価も実施されるようになった.本シンポジウムでは,潤滑油中でのフラーレン作用機構をさらに深堀するとともに,実部品への適用可能性に関して多様な観点から議論を深めていただくことを目的とする.


分類番号 S5 「次世代教育について考える~他学協会との交流~」

オーガナイザー
田川 一生:ENEOS株式会社
齋藤 吉之:株式会社IHI検査計測


 トライボロジーは私たちの暮らしと産業社会を支える重要な基盤技術であるにもかかわらず,世の中の認知度はまだまだ低く,興味や関心をもつ人も少ないように思われる.トライボロジーを持続的に発展させるためには,次代を担う小中高生にトライボロジーという学問の面白さと重要性を知ってもらい,将来トライボロジー分野で活躍する研究者・技術者の増加につなげていく必要があると考える.本シンポジウムでは,他分野の学協会で行われている次世代教育についての取り組みについて発表を行い,その後パネルディスカッションによる意見交換により,今後の次世代教育の有り方・取り組み方及び他学協会の本課題に対する連携等について考える.