シンポジウムセッション

シンポジウムセッション

「トライボロジー会議2020春 東京」では,一般講演による通常のセッションのほかに,複数のテーマについてシンポジウムセッションを設け,講演を募ります.下記の各シンポジウムの趣旨をご理解いただき,ふるってご応募・ご参加ください.なお,これらのシンポジウムセッションにおける講演は,一般講演とは異なり,必ずしもオリジナル講演に限定せず,整理された2次情報に基づく講演も受け付けます.講演の申込は,会誌トライボロジストならびに学会ホームページの「トライボロジー会議2020春 東京」の講演申込要領に沿って行ってください.

分類番号 S1 「自動車の機械要素のトライボロジー」

自動車のトライボロジー研究会及び変速機のトライボロジー研究会との合同企画

オーガナイザー
林 圭二   :トヨタ自動車株式会社
村木 一雄  :日産自動車株式会社
村上 靖宏  :アフトンケミカル・ジャパン株式会社

 100年に一度と言われる自動車の大変革期にあっても,機械要素におけるトライボロジー技術の一つ一つの積み上げが,自動車の信頼性と省燃費性能を左右することに変りはない.モビリティの方向性が変化しても,摩耗や焼付きや疲労等による損傷を防止する,摩擦を調節して効率向上,損失低減,音や振動の抑制を図るといった機械要素への要求は変わりなく,より高いレベルが求められている.
 本シンポジウムでは,機械要素,材料の最新動向や研究成果を発表頂き,多様な観点から今後の課題,解決への取り組みについて議論したい.

分類番号 S2 「表面テクスチャ加工プロセスと摺動部品への展開」

オーガナイザー
佐々木 信也 :東京理科大学
足立 幸志  :東北大学
是永 敦   :産業技術総合研究所

 本シンポジウムでは 「テクスチャ表面のトライボロジー研究会」 におけるこれまでの情報交換及び議論等を踏まえ,トライボロジー特性改善を目的とする表面テクスチャリング技術に関する最新の研究成果を総括するとともに,必要とされる表面テクスチャを機械要素表面に付与するための加工プロセスについて,社会実装の観点より包括的に俯瞰する.また,表面テクスチャパターンの最適設計における数値解析技術の有用性と可能性について,意見交換を行う.ニーズ/シーズの両面のさまざまな立場からの議論を通し,今後の展望を討論する機会となることを期待する.

分類番号 S3 「SDGsに寄与するメンテナンス・トライボロジー」

オーガナイザー
本田 知己  :福井大学
間野 大樹  :産業技術総合研究所
藤井 彰   :日本製鉄株式会社

 近年,持続可能な開発目標(SDGs)にも掲げられているとおり,地球環境負荷の低減や質の高いインフラの整備,徹底した省エネルギー化など,さまざまな取り組みが進められている.そうした中,機械設備の維持管理,すなわちメンテナンスは,持続可能な社会の構築に不可欠な技術として位置づけられ,そのメンテナンスに大きく貢献するトライボロジーにも期待と注目が集まっている.
 本シンポジウムでは,メンテナンス・トライボロジーに関する基礎的内容から最新の研究成果・技術動向,さらにここ数年加速的に技術進歩が見られるIoTやAIを活用したコンディション・モニタリング技術の最新動向に関する講演を通して,基礎と応用の両面から本分野のさらなる発展に寄与する議論の場を提供することを目的としている.学術的アプローチに取り組んでいる研究者はもとより,製品開発に携わっている技術者からも,広く発表を募集する.

分類番号 S4 「トライボロジー研究の発展における産学連携の役割と魅力 ~自動車用パワートレーンの進化~」

自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)との共同開催

オーガナイザー
三原 雄司  :東京都市大学
落合 成行  :東海大学
菊池 隆司  :トヨタ自動車株式会社
樋口 毅   :日産自動車株式会社

 エンジン単体やエンジンと電動モーターによるハイブリッド型の動力源は2050年においても70%を超えることが予想されている.このため,将来を見据えたエンジンの熱効率向上とゼロエミッション化に向けた研究が推進され,様々な課題に対する革新的な基礎研究の応用も期待されている.2014年から5年間にSIPプロジェクト「革新的燃焼技術」が推進され,50%を超える熱効率の実現と,“産産—学学連携”(大学間の研究連携と企業同士の研究領域における連携)の体制構築が行われ,産学官(企業—大学—国)の協力により新しい枠組みの産学連携システムが作られた.2019年度からこの産学連携の流れを支援していく“AICE(自動車用内燃機関技術研究組合)産学コンソーシアム”の立ち上げを進め,“産(企業)”のニーズに基づくプロジェクト研究とモデル基盤研究,更に将来のシーズ発掘(萌芽的研究)も実施する体制となった.
 本シンポジウムでは主に大学とAICEの連携による研究体制,AICEの研究活動体制(組合組織 協調領域+研究課題,人材育成)を紹介し,トライボロジーに関連する研究動向と研究テーマの講演等を通して今後の産学官連携研究の在り方や課題・自動車パワートレーンの進化などを議論していく.