特別講演会

特別講演会

トライボロジー会議2013秋福岡 特別講演会

 エネルギー問題,地球温暖化問題は,私たちが持続可能な社会を構築する上で,免れない焦眉の課題であり,今なお様々な対応策が模索され続けています.本課題解決のため,九州大学は,多様な次世代環境調和型技術についての基礎研究やその実証実験に継続して取り組んでいます.今回の特別講演会では,このうち二つの先進技術をご紹介頂きます.先ず,九州大学応用力学研究所教授の大屋裕二氏に風レンズ技術の開発と実証試験を,続いて,九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)教授の本田國昭氏に持続可能社会の在り方を,其々お話頂きます.本講演会が,エネルギーについての諸問題とその解決策を思索する契機となることを切に願います.

  • 日時:2013年10月24日(木) 15:15~17:20
  • 会場:アクロス福岡 4階国際会議場
  • 定員:400名(一般の方も参加可能です)
  • 参加費:無料

特別講演その1 「風レンズ技術を利用した風力・水力の有効利用—洋上浮き島エネルギーファーム—」

大屋裕二 氏 (九州大学応用力学研究所 教授)

 風エネルギーを集中させて効率を飛躍的に高めた新しいタイプの風力発電システム (レンズ風車と名付けた)を開発した.従来の風車と比べ2-5倍の発電出力の増加を達成し,小型(1-5kW機)・中型(100kW機)のレンズ風車を開発した.風力エネルギーの有効利用のため海上展開を図った.福岡市博多湾に直径18mの六角形浮体を浮かべ,3kWレンズ風車2基 と2kWソーラーパネルを搭載した浮体式のエネルギーファームを実現した.

特別講演その2 「日本のエネルギー・環境の中・長期展望」

本田國昭 氏 (九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 教授)

 気候変動は地球規模の深刻な課題である.IPCCの第4次報告書で温暖化の主要因の一つとしてCO2の増加が謳われている.人類が持続可能な社会を構築し,発展を継続させるためには,カーボンニュートラル社会を構築することが求められる.これからは,CCSを併用した化石燃料の発電所と再生可能エネルギーを最大限活用したエネルギーシステム(水素エネルギーを含む)そして,各種省エネルギー技術とのベストミックスが望まれる.