シンポジウムセッション

シンポジウムセッション

トライボロジー会議 2013秋 福岡 シンポジウムセッション

「トライボロジー会議 2013秋 福岡」では,一般講演による通常のセッションのほかに下記の2つのテーマについてシンポジウムセッションを設け,講演を募ることにしました.趣旨をご理解いただき,ふるってご応募・ご参加ください.なお,これらのシンポジウムセッションにおける講演は,一般講演とは異なり,必ずしもオリジナル講演に限定せず,整理された2次情報に基づく講演も受け付けます.講演の申込は,本誌に掲載されている「トライボロジー会議 2013秋 福岡」の講演申込要領に沿って行ってください.

テーマ(1)  循環型社会の実現とグローバル化を支えるシール技術 (分類番号 S1)

オーガナイザー:
【杉村丈一】
九州大学大学院工学研究院機械工学部門
〒819-0395 福岡県福岡市西区元岡744
TEL:092-802-3068,FAX:092-802-0001
E-mail:sugi@mech.kyushu-u.ac.jp

【佐藤祐樹】
NOK株式会社
〒251-0042 神奈川県藤沢市辻堂新町4-3-1
TEL:0466-35-4601,FAX:0466-33-5375
E-mail:satou@nok.co.jp

【秋田秀樹】
日立建機株式会社
〒300-0013 茨城県土浦市神立650
TEL:029-832-7184,FAX:029-831-0170
E-mail:h.akita.yy@hitachi-kenki.com

 地球環境や資源・エネルギーに関する諸課題,あるいは新興国の発展に基づく経済の拡大などを背景に,我が国の産業・工業は,様々な観点でグローバルな視点に基づいた対応が求められるようになってきています.作動流体の漏洩防止や外部異物の内部への侵入防止を担うシールは,あらゆる産業機器・工業製品に使用されており,シールに関する技術課題もグローバル化が進んでいると言えます.例えば,従来では考えられなかった劣悪環境下での使用に耐えることが求められるようになってきています.また,環境問題を背景に,物質の使用や排出の基準や規制は年々厳しくなってきており,これらの規制強化に対してシールは,有害物質の漏洩防止という観点で直接的に,また,これら規制を満足する様々な新技術・新システムの実現を高い信頼性で支えると言う観点で間接的に,重要な役割を持って関わっていると言えます.動的シールにおいてはさらに,しゅう動時の摩擦ロス低減が省エネルギーに直結しますので,シールに関するトライボロジー技術の革新がますます期待される分野であると言えます.
 そこで本シンポジウムでは,運動用,固定用,また接触式・非接触式,あらゆるシール要素に関わる設計者,使用者,研究開発者はもとより,シールおよび環境およびグローバル化社会の諸課題に関心をお持ちの多くのトライボロジストに参加いただき,様々な観点から,活発な意見交換をしたいと考えております.

テーマ(2)  表面テクスチャのトライボロジー (分類番号 S2)

オーガナイザー:
【佐々木信也】
東京理科大学工学部機械工学科
〒125-8585 東京都葛飾区新宿6-3-1
TEL:03-5876-1334
E-mail:s.sasaki@rs.tus.ac.jp

【足立幸志】
東北大学大学院工学研究科ナノメカニクス専攻
〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-01
TEL:022-795-6956
E-mail:koshi@tribo.mech.tohoku.ac.jp

【是永敦】
産業技術総合研究所先進製造プロセス研究部門トライボロジー研究グループ
〒980-8579 茨城県つくば市並木1-2-1
TEL:029-861-7145
E-mail:a.korenaga@aist.go.jp

 表面テクスチャリングは,トライボ表面の改質技術の1つであり,シンプルかつ如何なる機械要素にも必須の表面処理プロセスである.工作機械等の案内面に施す“きさげ”加工やシリンダライナー内面のホーニング加工など表面テクスチャは古くから実用化されており,それらの多くは製品性能を大きく左右する重要なノウハウとなっている.しかしながら,一般の機械設計においては,表面性状とトライボロジー特性との相関やその効果については,油膜パラメータΛを流体潤滑状態の指標として論ずる程度に留まっているのが現状である.また,表面形状や表面粗さを規定する表面性状パラメータ(GPS)は,機械部品の表面仕上げを規定する機械設計において最も基本的な指標であるが,表面テクスチャリングの観点からトライボ特性との相関について十分な検討が行われていない.表面テクスチャリング技術を今後さらに有効に活用していくためには,機能発現メカニズムの解明とGPSを利用した表面設計指針の体系化が必要とされている.本シンポジウムは,トライボロジー特性改善のための表面テクスチャリングについて,特に境界潤滑性能の向上に着目して広く知見と情報を集めることにより,議論を深めることを目的とする.多くの技術者や研究者による,表面テクスチャリングの応用例の紹介やメカニズムの提案を歓迎します.