シンポジウムセッション

シンポジウムセッション

 「トライボロジー会議2021 秋 松江」では,一般講演による通常のセッションのほかに,複数のテーマについてシンポジウムセッションを設け,講演を募ります.下記の各シンポジウムの趣旨をご理解いただき,奮ってご応募・ご参加ください.

 なお,これらのシンポジウムセッションにおける講演は,一般講演とは異なり,必ずしもオリジナル講演に限定せず,整理された2次情報に基づく講演も受け付けます.講演の申込みは,会誌トライボロジストならびに学会ホームページの「トライボロジー会議2021 秋 松江」の講演申込要領に沿って行ってください.
また,オーガナイザーより講演を依頼された本会非会員の方は,オーガナイザーの指示に従って講演の申込みを行ってください.

分類番号 S1 「トライボケミストリーの最前線」

オーガナイザー
中山 景次:メゾテクノロジー研究所
甲嶋 宏明:出光興産株式会社
平山 朋子:京都大学
塩田 忠 :岡山大学
納山 慧之:協同油脂株式会社

 多くの難解なトライボロジー問題にはトライボケミストリーが深く関与していると考えられる.それゆえ,トライボロジーの新しい技術開発を行うためには,トライボケミストリーの観点から,この難解な問題にアプローチすることが極めて重要であると言える.しかしながら,この難解な問題には,様々な因子が複雑に絡みあっているため,その解析は容易ではない.近年,摩擦潤滑界面のダイナミックな物理的化学的現象に関し,多岐にわたるその場新計測技術が急速に開発され,多くの注目すべき新たな知見が獲得されている.そこで,本シンポジウムにおいては,トライボケミストリー究明に不可欠なダイナミック界面膜構成などの物理・化学的現象の最新in situ計測技術を始めとし,トライボケミカル反応源,トライボケミカル反応機構,摩擦緩和剤や摩耗防止剤のトライボケミカル作用機構,機械要素のトライボケミカル寿命,切削・圧延・焼き付きなどの新生面発生におけるトライボケミカル反応機構等,様々なトライボケミストリーについての最前線の知見を発表して頂き,討論を通じて,この分野の学問を深め,新たな技術開発に貢献したいと思う.

分類番号 S2 「固体潤滑:省エネルギーに対応する技術・材料の動向」

オーガナイザー
藤田 登:住鉱潤滑剤株式会社
後藤 実:宇部工業高等専門学校
平田 敦:東京工業大学

 固体潤滑は,特殊環境や過酷摩擦条件で適用される特別な技術から,さまざまな産業分野で広く適用される技術へと発展している.現在も,新しい固体潤滑材料やその適用方法が産官学を問わず研究・開発され,それら潤滑メカニズムが議論されている.その目的はいうまでもなく対象とされる機械要素の摩擦・摩耗の低減であり,ひいては部品寿命の延長であり,そして電力などの使用エネルギーの低減である.2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」が宣言されてグリーン成長戦略が掲げられたことを機に,CO2の事実上排出ゼロを目指して,省エネルギー技術や省エネルギーをもたらす材料の研究開発がますます加速すると予想される.このシンポジウムでは,固体潤滑の技術および材料について,最新の研究開発事例を紹介し,将来の省エネルギーに固体潤滑の分野がどのように貢献できるかを考えていきたい.

分類番号 S3 「スペーストライボロジー」

オーガナイザー
佐々木 彰:日本電気株式会社
松本 康司:宇宙航空研究開発機構

 地球を周回する人工衛星や宇宙ステーション,月や小惑星,他の惑星や衛星を目指す探査機で使用される駆動機器は,宇宙という特殊な環境に耐え,確実かつ安定した駆動が要求される.本シンポジウムでは,スペーストライボロジーに関する最近の技術動向の紹介,トピックス,研究成果の発表を行うとともに,今後の課題・展望等について討論する.


分類番号 S4 「複合化による高分子材料の改質」

オーガナイザー
西谷 要介:工学院大学
杉山 憲一:株式会社荏原製作所
櫻井 敬之:NOK株式会社

 高分子材料は,軽量で,比強度が高く,かつ自己潤滑性を有するため,比較的軽負荷条件で使用されるトライボマテリアルとして多用されている.高分子材料のトライボロジー特性を改質する手法は様々な方法があるが,工業的にも簡便かつ安価で,しかも大幅な改質効果も得られやすいこともあり,繊維,フィラーおよび固体潤滑剤などとの複合化による手法が多く採用され,現在でも材料開発手法の主流となっている.本シンポジウムでは,複合化による高分子材料の改質に関する基礎的内容から最新の研究成果や技術動向に関する講演を通して,高分子材料のトライボロジーに対する理解を深める場を提供する.


分類番号 S5 「シールにおけるトライボロジー技術」

オーガナイザー
落合 成行 :東海大学
田畠 一二三:株式会社IHI
川村 良一 :株式会社タンケンシールセーコウ
水田 裕賢 :NOK株式会社

 流体の漏えいを防止し,異物の侵入を遮断するシールは,その密封機能によって機械の安定した稼働を支えるだけではなく,環境保護と省エネルギーにも直接関係する重要な機械要素であり,様々な産業分野で使用されている.シールの技術課題には,接触・摩擦・摩耗といったトライボロジーの基本的な課題が多く含まれている.動的シールでは,密封と潤滑という一見相反する作用を両立させる必要があり,シール特有の難しさがある.また静的シールにおいても,着脱時のしゅう動や,温度・圧力の変化による微視的なしゅう動など,トライボロジーが関わる技術課題がある.本シンポジウムでは,動的・静的シール,あるいは接触式・非接触式など,あらゆるシールに関するトライボロジー技術の検討内容や技術課題を発表いただき,参加者との活発な議論を通じて,シール技術のさらなる発展に貢献することを目的とする.最新の研究成果に限らず,これまでの発表内容の整理や,シールに関わる最近の話題や問題提起など,広く発表を募集する.

分類番号 S6 「トライボロジーの分子シミュレーションとその周辺」

オーガナイザー
鷲津 仁志 :兵庫県立大学
田中 健太郎:東京海洋大学
梶田 晴司 :株式会社豊田中央研究所
小野寺 拓 :ENEOS株式会社

 分子シミュレーションは,固体材料,表面処理,基油,添加剤といったあらゆるトライボ現象を扱うことが可能である稀有の技術である.近年は,分析ツールの一つとして,幅広いユーザーを獲得しつつある.本シンポジウムでは,分子シミュレーションだけでなく,マルチスケール的な取り組みや,粒子に基づくマイクロスケール以上のシミュレーション,また関連する実験解析なども幅広く募集する.また,機械学習をはじめとする情報科学的なアプローチなども,本テーマと接点があれば歓迎する.

分類番号 S7 「トライボロジー教育を中心とした教育のオンライン化について考える」

オーガナイザー
齋藤 吉之:株式会社IHI検査計測
田川 一生:ENEOS株式会社
松山 博樹:株式会社ジェイテクト

 新型コロナの蔓延により,対面型イベントの開催が難しくなり,オンラインイベントが数多く開催されるようになってきている.オンラインイベントでは,これまでの対面型イベントにないメリットを得られることがある反面,デメリットも生じるため,これまでのイベントとは異なる構成・運用が必要となることが多い.本シンポジウムでは、トライボロジー的要素を取り込んだ小中学生向け体験型教育イベントのオンライン体験,経済産業省主導で進められているオンライン教育ビデオライブラリSTEAM Libraryの紹介および生徒への魅力的な見せ方のポイントの解説などを通じ,オンラインイベントでの教育のありかた,魅力的なオンライン教材の制作等について意見交換を行う.

分類番号 S8 「ヤングトライボロジスト シンポジウム ~奨励賞受賞者の研究や若手研究者の研究環境~」

オーガナイザー
中谷 幾子 :出光興産株式会社
奥田 紗知子:日産自動車株式会社
大津 健史 :大分大学

 トライボロジー学会の次世代を担うヤングトライボロジスト達が大学・企業を超えて横のつながりを強くするため本シンポジウムを開催する.講演者として,奨励賞受賞者講演,企業研究の実状,国内外留学研究紹介および若手教員の研究など,企業・大学を問わずヤングトライボロジストの目標とする多岐にわたる研究者像について講演をいただき,最後にパネルディスカッションを実施し,パネリストと参加者間での意見交換を行う.