シンポジウムセッション
シンポジウムセッション
「トライボロジー会議 2026 春 東京」では,一般講演による通常のセッションのほかに,複数のテーマについてシンポジウムセッションを設け,講演を募ります.下記の各シンポジウムの趣旨をご理解いただき,ふるってご応募・ご参加ください.なお,これらのシンポジウムセッションにおける講演は,一般講演とは異なり,必ずしもオリジナル講演に限定せず,整理された 2 次情報に基づく講演も受け付けます.講演の申込は,会誌トライボロジストならびに本会ホームページの「トライボロジー会議 2026 春 東京」の講演申込要領に沿って行ってください.また,オーガナイザーより講演を依頼された本会非会員の方は,オーガナイザーの指示に従って講演の申込を行ってください.
テーマ(1) 境界潤滑の全体像を見極める ‐様々な研究者・技術者の立場から‐ (分類番号 S1)
オーガナイザー
青木 才子 東京科学大学
田川 一生 ENEOS 株式会社
歴史的には1920年頃にスタートした境界潤滑の研究ですが,約100年の歳月を重ねた現在においても,多種多様な観点から境界潤滑現象が注目され研究が発展しています.例えば,複雑で解析が困難であったトライボフィルムの構造やその生成過程が,最新の分析技術や分子スケールの摩擦評価技術などによって明らかにされつつあり,不可視かつ微小領域の固体接触部で生じる様々な素過程の解明が始まっています.しかし,境界潤滑現象は,様々な物理的現象および化学的現象を含み,その一つ一つの要素が相互に影響を及ぼしながら複雑に共存しているため,境界潤滑の全体像を把握することは容易ではなく,現在も多くの未解明な課題を抱えています.そこで,本シンポジウムでは,潤滑油,材料,機械および構造解析など,各分野を専門とする研究者・技術者の方々に,境界潤滑を中心として,境界潤滑と密接に関係のある乾燥摩擦から混合潤滑を網羅しつつ,境界潤滑の発現メカニズム,摩擦の法則の成立・不成立をはじめとする学術的議論や,境界潤滑に関わる潤滑油,添加剤,材料,機械設計の最新動向についてご講演いただき,活発な議論を通して,境界潤滑の科学的かつ技術的な進展に向けた問題提起を実施したいと考えています.
テーマ(2)宇宙開発におけるトライボロジー (分類番号 S2)
オーガナイザー
剱持 伸朗 宇宙航空研究開発機構
松本 康司 宇宙航空研究開発機構
佐野 敏成 トヨタ自動車株式会社
スペーストライボロジーは,人工衛星等の宇宙機の作動部に求められるキー技術の一つであり,宇宙特有の特殊環境下で高信頼性を達成するため,様々な研究が行われています.最近の動向として,月・惑星探査等の従来よりも幅広い温度領域にも対応した新しい潤滑技術が求められています.
また,日本の宇宙開発は従来の官民体制に加え,民主体のベンチャー企業,さらに昨今ではスタートアップも広がりを見せています.過去の失敗をこれからに活かす意味でも情報の共有は重要だと考えています.最新の研究成果に限らず,これまでの研究内容の整理や,最近の課題や問題提起など幅広く発表を募集します.
テーマ(3) “超”を目指す軸受技術の最前線(分類番号 S3)
オーガナイザー
平山 朋子 京都大学
山下 直輝 京都工芸繊維大学
機器の更なる性能向上を目指す上で,軸受技術の進歩は欠かすことができません.本シンポジウムでは,日本トライボロジー学会 会員提案研究会である「“超”を目指す軸受技術研究会」にて紹介された最先端の軸受技術を中心に,軸受に関わる基盤技術とすべり/転がり軸受の最新動向に関して話題提供いただくことで,近年の軸受技術を包括的に俯瞰する場の提供を目指します.現在の軸受技術のボトルネックはどのような点にあるのか,また更なる性能向上を目指す上での最適設計指針はどのように考えたら良いのかなど,さまざまな立場からの意見交換を通じて今一度軸受技術を見直すとともに,ニーズ/シーズの両面から今後の展望を討論する機会となることを期待します.
