会長メッセージ

一般社団法人日本トライボロジー学会 第64期会長

若林 利明 (香川大学)

 第64期会長就任にあたり,ご挨拶申し上げます.

 昨年度に引き続き,本年度も会長を拝命することとなりました.この1年間,学会運営の舵取りがうまくできたかは,はなはだ心許ないところもありますが,今期は2年目として,少しでも各方面の期待に応え,さらなる学会の発展につながるよう,理事会役員とともに努力したく存じます.

 ここで昨年度を振り返りますと,第63期は,一昨年度に実施した非会員向けアンケートに続き,正会員向けのWebアンケートを行い,これらの分析結果を踏まえて,会員メリットおよび会員サービスの向上,会員増強のための課題と具体的施策を検討してまいりました.そうした取組みが,第64期を迎えた今,徐々に実を結びつつあると感じております.

 たとえば,会員メリットの向上およびトライボ人材育成の強化につながる教育講習改革の一環として,テーマ別基礎講座とスキルアップ講座それぞれを応用講座:設計編と応用講座:実験・計測編に改め,トライボロジーの実務に対応する上で,より効果的な教育プログラムを提供する運びです.また,新設する次世代教育ワーキンググループが,将来を担う若者や子供たちへのトライボロジー啓発教育,すなわち小中高生向けトライボロジー体験学習の企画,実施,支援に関する活動を開始します.さらには,より多くの学生にトライボロジーと触れてもらえるよう,第65期からにはなりますが,学生会員の入会金と年会費の無料化を計画しており,今期は,そのための環境を整える予定です.

 一方,編集・出版部門では,第62,63期と継続して会誌出版費の大幅な削減を果たし,学会財政の健全化と学会運営の効率化に大きく貢献してきました.そして本年度は,出版部門を独立して,その活性化を図り,いよいよ「トライボロジーハンドブック」改訂版の発行準備に着手するつもりです.学会賞全体像の見直しでは,今期からの論文賞とTribology Online論文賞の一本化を皮切りに,功績賞の再定義,学生奨励賞制度の再設計などを進めています.世界のトライボロジー分野における日本の存在感と影響力,いわゆるプレゼンスをどう高めるかについては,これまでアジア地域を中心に,各国トライボロジー学会との交流を深めてきました.これに加えて昨年は,米国トライボロジー学会STLE ならびにドイツトライボロジー学会GfT それぞれと相互連携の覚書を締結することができ,今後もこうした国々との関係を強めていきたいと考えております.

 ご存知のとおり9月には,4年に一度のInternational Tribology Conference(ITC)が仙台で開催されます.米国STLEとの協調の第一歩であるYoung Tribologist Symposiumや,トライボロジーに関連する主要国際学術誌のチーフ編集者が一堂に会して議論するという世界的に例を見ない企画など,ITC 仙台での盛りだくさんのイベントを通じて,国際社会のトライボロジー分野における日本の役割が高く評価されることに疑いの余地はありません.

 さて,新年の挨拶でもお伝えしましたが,当学会は,各種研究会や講習会,会誌やTribology Online,あるいはトライボロジー会議やITCといった財産を有しています.これらの拡充や周知宣伝はもちろんのこと,それらを充分に活用した人と人とのつながり,すなわちトライボロジー人脈が構築できる場を提供する,それがJASTに課された最大の使命ではないでしょうか.この使命を果たすため,第64期も会長として理事会役員と手を携え,各種委員会メンバーや学会事務局の協力も得ながら,学会運営に邁進する所存です.

 最後になりましたが,会員の皆さまには,是非ともご支援,ご鞭撻を賜りますよう,心よりお願い申し上げます.
 

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