シンポジウムセッション

2015 春 姫路 シンポジウムセッション

 「トライボロジー会議 2015 春 姫路」では,一般講演による通常のセッションのほかに,下記の5つのテーマについてシンポジウムセッションを設けます.このうち,(1)から(4)について講演を募りますので,趣旨をご理解いただき,ふるってご応募・ご参加ください.(1)から(4)のシンポジウムセッションにおける講演は,一般講演とは異なり,必ずしもオリジナル講演には限定せず,整理された2次情報に基づく講演も受け付けます.講演の申込は,学会ホームページの「トライボロジー会議 2015 春 姫路」から行ってください.なお,(5)については講演募集を行いませんので,ご注意ください.

テーマ(1)要素技術から考える先端トライボシステムのクロスファンクショナルシンポジウム  (分類番号 S1)

オーガナイザー
谷 弘詞:関西大学
高橋 幹:(株)東芝
徐 鈞国:(株)HGSTジャパン
中川路 孝行:(株)日立製作所

 トライボロジーの要素技術(テクスチャー,境界潤滑,潤滑剤,DLC膜,気体軸受,評価分析技術,シミュレーション,摩擦帯電など)ごとの切り口で,トライボシステムにおける技術と各要素技術をクロスファンクショナルに議論する.今回はトライボシステムの一つとして磁気記録装置のヘッドディスクインタフェースを取り上げ,その分野の研究者と他のトライボロジー分野の要素技術で最先端の研究を行っている研究者が集まり,交流することによりその相乗効果を期待するシンポジウムである.具体的には,前述したトライボロジーの要素技術ごとに,その分野での最先端情報や研究動向などを発表していただくとともに,ファイル記憶のトライボロジー分野の最先端の技術開発や研究動向について発表していただき,お互いに意見交換することで,それぞれの分野での今後の発展に資することを目的とする.

テーマ(2)グリースのトライボロジーと潤滑寿命  (分類番号 S2)

オーガナイザー
向井 悠能:新日鉄住金化学(株)
後藤 拓也:コスモ石油ルブリカンツ(株)

 グリースは各種アプリケーションへの用途拡大が進み,グリースに対する要求性能はますます高まってきている.そこで,グリース潤滑に用いられている最近のトライボロジー技術について紹介する.次にグリースの必要性能の一つに潤滑寿命がある.潤滑寿命は機械装置の寿命を決定する重要な性能であるため,グリース研究会では1970年以降,継続して潤滑寿命へのグリース組成や使用条件の影響を評価し,劣化過程の解明に取り組んできた.このグリース研究会の活動成果を中心に,グリース寿命や劣化過程,潤滑寿命推定についても報告する.さらにグリース潤滑転がり軸受が性能を満足に発揮できるようにするため,定期的なメンテナンスや給脂が行われる使用方法もある.これらの現状についてもあわせて報告する.

テーマ(3)最新のトライボロジー実用化技術  (分類番号 S3)

オーガナイザー
林田 一徳:(株)ジェイテクト
江上 正樹:NTN(株)

 トライボロジー技術を実用化した最近の開発製品や開発技術について,開発の背景,機能,効果などを紹介する. 日本の工業製品・部品などのハードウエア産業の競争力強化のためには,トライボロジーも基礎研究のみではなく,実用化に重点をおいた技術開発が重要であるとの観点から,各企業からの講演を広く募集し,さまざまな観点から議論し,今後のトライボロジー技術実用化を促進する.学術的な視点よりも実用技術に重きを置き,技術的視点から新しい結果や優れた機能を含んでいるもの,学術的には既発表の内容をもとに実用化したもの,学術的には既知な内容を組み合わせることによって実用化したもの,なども講演の対象とする.(各企業の新製品や新技術についてアピールする場としますが,予稿集および発表資料においては,具体的な製品名の明示は控えていただき,「開発品」などの表現にしてください.)

テーマ(4)トライボロジー技術の進展と将来展望  (分類番号 S4)

オーガナイザー
野々垣 稔:(株)酉島製作所
中辻 武:神戸市立工業高等専門学校

 トライボロジーの新技術の研究開発において,これまでの先人の技術開発の足跡を正しく理解することの重要性が痛感されており,各種理論や諸説の原典となる古典的論文資料から現在の理論に至るまでの進展の背景を理解し,将来を展望することは重要である.また,主要な基礎特性がトライボロジーに大きく依存している製品やユニットの技術の進展過程を理解することは,将来技術の開発への糧となる.本シンポジウムでは,トライボロジーの基礎理論の進展,およびトライボロジー要素の技術進展について技術史的視点を加味して理解し,現在から将来に向かって進展してゆく各種の技術分野について報告,討議し,将来の技術動向を考えることとしたい.

テーマ(5) 研究倫理への対応と倫理教育について考える  (分類番号 S5 :指名講演につき募集なし)

オーガナイザー
中野 史郎 :(株)ジェイテクト
富岡 淳 :早稲田大学

 近年,グローバルに各研究機関,企業間での研究開発競争が激化しており,それに伴って,研究倫理に係わる問題が増加してきている.そのため,研究者への研究倫理に関する教育の重要性が日増しに高まっている.研究倫理における問題は,研究者自体に問題がある場合と,研究者が属する組織に問題がある場合の2種類がある.従って,倫理教育を考える場合,研究者及び組織の両面から検討する必要がある.本シンポジウムでは,研究倫理への対応と倫理教育の有り方について考え,誰からも信頼される研究者及び研究活動について議論する.


シンポジウムセッション [pdf:258.7KB]