シンポジウムセッション

シンポジウムセッション

 「トライボロジー会議2024 秋 名護」では,一般講演による通常のセッションのほかに,複数のテーマについてシンポジウムセッションを設け,講演を募ります.下記の各シンポジウムの趣旨をご理解いただき,奮ってご応募・ご参加ください.
 なお,これらのシンポジウムセッショ ンにおける講演は,一般講演とは異なり,必ずしもオリジナル講演に限定せず,整理された2次情報に基づく講演も受け付けます.講演の申込みは,会誌トライボロジストならびに学会ホームページの「トライボロジー会議2024 秋 名護」の講演申込要領に沿って行ってください.また,オーガナイザーより講演を依頼された本会非会員の方は,オーガナイザーの指示に従って講演の申込みを行ってください.

分類番号 S1 ヤングトライボロジストシンポジウム

オーガナイザー
山下 侑里恵:株式会社ジェイテクト
酒井 一泉 :ENEOS株式会社
岩井 利晃 :出光興産株式会社

 トライボロジー学会の次世代を担うヤングトライボロジスト達が大学・企業の枠を超えた横のつながりを強化するためのシンポジウムを開催する.このシンポジウムでは、奨励賞受賞者の講演,企業における研究の最新動向,国内外の留学に基づく研究紹介,若手教員による研究発表など,最新の研究動向を共有する.またヤングトライボロジストとして目指すべき多様な研究者像についても議論する.講演後には,懇親会を実施し,講演者と参加者が意見交換を行う機会を提供する.

分類番号 S2 カーボンニュートラルに挑む自動車のトライボロジー技術の最前線

自動車のトライボロジー研究会と添加剤技術研究会の共同開催
オーガナイザー
遠山 護 :豊田中央研究所
三田 修三:東京都市大学
佐藤 剛久:添加剤技術研究会
佐藤 魁星東京理科大学
鈴木 正人株式会社樋口商会
樋口 智也:日本ルーブリゾール株式会社
松枝 宏尚DIC株式会社

 世界の自動
車メーカでは,カーボンニュートラル実現に向けて,電動車(BEV, PHEV, HEV, FCVなど)化が精力的に進められている.電動化が重要であることは今更いうまでもないことであるが,カーボンニュートラルに対しては,水素燃料,バイオ燃料や合成燃料などの内燃機関(ICE)への利用,各ユニットの機械効率の向上や,ユニット・部品のReduce(削減),Reuse(再利用),Recycle(再資源化)という3Rに配慮した改善も重要と考える.このような考えのもと,目的実現に対する,国や地域の状況や情勢に応じた最適解の提供,すなわち,世界各国のエネルギーの環境や顧客のニーズ,経済状況に対応するマルチパスウェイの重要性が再認識されてきている.このような背景から,それらに対応するトライボロジー技術の果たす役割は改めて重要といえる.本シンポジウムでは,電動車化以外にもカーボンニュートラルに貢献できる自動車のトライボロジー技術に焦点をあて,それら技術開発の現在と今後のあり方に関して広く議論する場を提供する.

分類番号 S3 電動車用潤滑油最前線 ‐ EV,HEV用潤滑油の現状と今後の展開 ‐

添加剤技術研究会と自動車のトライボロジー研究会の共同開催
オーガナイザー
佐藤 剛久:添加剤技術研究会
佐藤 魁星東京理科大学
鈴木 正人株式会社樋口商会
樋口 智也:日本ルーブリゾール株式会社
松枝 宏尚DIC株式会社
遠山 護 :豊田中央研究所
三田 修三:東京都市大学

 自動車のCO2排出量の低減あるいはゼロエミッション化に向けて電動車(EV, PHV, HEV, FCVなど)の普及が世界的に進展している.2023年の乗用車販売に関して,中国におけるEV, PHV(新エネルギー車)の割合は約35%となっている一方,国内においては電動車の割合は過半数を超えたもののEVの割合は約4%に留まっている.また,欧州,米国のEVの割合はそれぞれ15%, 8%となっているが,欧州でのHEV+PHVの割合は約35%に達しており,EVの増加に加えて,既存インフラで低CO2排出となるHEVが増加する傾向もみることができる.EV,HEVにはモータ,インバータ,トランスミッションを一体化したE-Axleが装着されており,E-Axle専用フルードの開発や規格化が進んでいる.HEVは一般のエンジン車に比較して,実用運転域でのエンジン回転数・負荷分布が異なり,HEVの運転条件を考慮した省燃費エンジン油規格も制定された.本シンポジウムでは,電動車用潤滑油の基油・添加剤技術,規格化動向などに焦点をあて,電動車用潤滑油の現在と今後のあり方に関して広く議論する場を提供する.

分類番号 S4 工作機械におけるトライボロジー技術の応用

オーガナイザー
野口 昭治:東京理科大学
若園 賀生:株式会社ジェイテクト
宮武 正明:東京理科大学

 工作機械産業は,日本の製造業が今後も世界をリードしていくために重要な役割を担っている.工作機械を支える各種技術の中で,加工機の主軸や案内面に係わる技術や潤滑剤,加工油等,トライボロジーが重要な役割を果たしている.本シンポジウムでは工作機械に関するトライボロジーの技術分野での最新技術動向や研究成果などを発表していただくとともに,参加者が互いに意見を交換することで,それぞれの分野での今後の発展の一助とすることを目的とする.工作機械に関する機械要素,案内面や軸受,潤滑や加工油剤,切削や研削加工技術,工具技術等のトライボロジー等幅広い分野での講演を募集します。

分類番号 S5 炭素系硬質薄膜の潤滑油中・真空中におけるトライボロジー特性

オーガナイザー
野老山 貴行:名古屋大学
徳田 祐樹 :東京都立産業技術研究センター

 炭素系硬質薄膜は長く低摩擦発現材料として期待され,潤滑油中においても低摩擦及び耐摩耗性が期待されている.また,エンジン油をはじめとして多くの添加剤が存在する中でいかに炭素系硬質薄膜の機能を発現するか,添加剤との反応をどのように制御するかといった課題に直面している.本シンポジウムでは成膜方法,潤滑油中,真空中,大気中などの環境における構造変化,低摩擦や耐摩耗を発現可能な添加剤の開発など近年の進歩について討論を行う.

分類番号 S6 高分子材料のトライボロジー技術の最前線

オーガナイザー
西谷 要介:工学院大学
国島 武史:株式会社ジェイテクト
金  成夏:株式会社荏原製作所

 地球温暖化などのエネルギー問題を受け,自動車部品や産業機器部品に対する軽量化ニーズ(省エネルギー・CO2排出量削減)が高まっている.加えて,部品の電動化・ハイブリッド化に伴う高度な静粛性の要求が増加している.樹脂やゴム・エラストマーなどの高分子材料は,軽量で耐食性・成形加工性に優れるといった特性に加え,自己潤滑性や静粛性に優れるという観点から,樹脂歯車や軸受・シール等に代表される様々なしゅう動部品にも近年適用が進んでいる.本シンポジウムでは,これらのトレンドに注目し,高分子材料のトライボロジー技術に関する技術開発の現在と今後の開発動向に関して,幅広く議論する場を提供する.

分類番号 S7 5th Japan-Korea Tribology Symposium: Automotive Tribology

オーガナイザー
日本側
Prof. Junho Choi:Tokyo City University
Prof. Noritsugu Umehara:Nagoya University

韓国側
Dr. Young-Jun Jang:Korea Institute of Materials Science (KIMS)
Prof. Keun Ryu:Hanyang University 
 
 日本と韓国間のトライボロジー分野における情報交換と交流の場を,トライボロジー会議2024秋名護のシンポジウムセッションに設け,両国間の技術交流,人的交流および共同研究の基礎を築くことを目的とする.今回のシンポジウムのトピックは「自動車のトライボロジー」であり、その分野で活躍中の両国のトライボロジー研究者が参集し,互いの最新の研究内容を紹介することで研究交流の促進を図る.

分類番号 S8 水素エネルギーとトライボロジー

オーガナイザー
杉村 丈一:九州大学
高田 仁志:JAXA
中嶋 和弘:東洋大学
澤江 義則:九州大学

 地球温暖化と資源枯渇が深刻化するなか,エネルギー・環境分野の最重要課題である脱炭素化と再生エネルギー導入において,2次エネルギー媒体としての水素への期待が高まっています.水素をエネルギー媒体とする水素社会の実現には,水素を安全かつ効率的に貯蔵・供給・利用する技術の確立が不可欠であり、トライボロジーも重要な技術分野の一つです.本シンポジウムでは,水素エネルギーシステムを構成するさまざまな機械要素とそこでのトライボロジー課題に対する取り組みについてご講演いただき,水素エネルギーの普及に向けた今後の展開について議論する.

分類番号 S9 転がり疲れ研究の最前線

オーガナイザー
植田 光司:日本精工株式会社
間野 大樹:国立研究開発法人産業技術総合研究所

 様々な機械に用いられている転がり軸受は,カーボンニュートラルの実現に向けた機械の高度化に伴い,使用される環境の過酷化,多様化が進み,これまでよりも高い信頼性と高効率化が求められています.転がり疲れの現象自体も複雑化し,機能向上の要求を実現するためには,材料強度だけではなく潤滑剤や使用環境を考慮してトライボロジーの観点から転がり疲れの現象を解明することが重要になってきています.本シンポジウムでは,転がり疲れの最新の研究成果についての講演を通して,転がり疲れの現象解明の課題やさらなる発展に寄与する議論の場を提供します.

分類番号 S10 シールにおけるトライボロジー技術

オーガナイザー
落合 成行 :東海大学
水田 裕賢 :NOK株式会社
田畠 一二三:株式会社IHI
川村 良一 :株式会社タンケンシールセーコウ

 流体の漏えいを防止し,異物の侵入を遮断するシールは,その密封機能によって機械の安定した稼働を支えるだけではなく,環境保護と省エネルギーに直接関係する重要な機械要素であり,様々な産業分野で使用されている.シールの技術課題には,接触・摩擦・摩耗といったトライボロジーの基本的な課題が多く含まれている.動的シールでは,密封と潤滑という一見相反する作用を両立させる必要があり,シール特有の難しさがある.また静的シールにおいても,着脱時のしゅう動や,温度・圧力の変化による微視的なしゅう動など,トライボロジーの技術課題がある.
 本シンポジウムは,シールに関する様々な技術課題およびそれらに対する研究開発の内容を紹介いただき,トライボロジーの視点に基づく活発な議論を通じて,シール技術のさらなる発展に貢献することを目的とする.最新の研究成果に限らず,これまでの研究内容の整理や,最近の課題や問題提起など,広く発表を募集する.