キャリアインタビュー 渡邊 大河
車を滑らかに動かす!

渡邊 大河(わたなべ たいが)
出光興産株式会社 潤滑油営業研究所 モビリティオイル開発グループ
横浜国立大学 理工学部 機械・材料・海洋系学科を卒業後,同大学大学院 環境情報学府 人工環境専攻にて修士課程を修了.修了後,出光興産株式会社に入社.現在は,自動車の駆動系に用いられる潤滑油の開発を担当し,トランスミッションやギアの摩耗低減・性能向上に貢献する技術の研究に取り組んでいる.
恐竜や遺跡が好きだった子ども時代.気づけば建築や機械など,モノづくり全般に興味が広がり,「どう作る?どう動く?」を考えるのが好きになりました.
大学の研究室選びで「摩擦はいろいろな分野で役立つ」と知ったのがきっかけでした.身の回りにも関係していると知り,「幅広く活躍できる分野だ」と興味を持つようになりました.
大学では,自動車のブレーキで鳴る「キーッ」という音に注目しました. この音は,部品同士がこすれることで起こる振動が原因です.そこで,その振動を減らして静かにブレーキが動くようにするための機械設計について研究しました. 身近な現象の裏にある仕組みを探る,実践的なテーマでした.
今は,自動車の「駆動系」に使われる潤滑油の開発に取り組んでいます.トランスミッションやギアなど,車の力をタイヤに伝える部分では,多くの部品がこすれ合っています. そこで潤滑油が動きをスムーズにする,部品のすり減りを防ぐ,車を長く安全に使えるようにする,といった役割を果たします.車の性能や安全性を支える,とても重要な仕事です.
ブレーキの音や,機械がなめらかに動く感覚は,普段の生活でも感じることができます. その背景には,ものがこすれるときの仕組み=摩擦があります.摩擦をうまくコントロールすることで,より快適で安全な乗り物が実現されているのです.
トライボロジーは少し聞き慣れない言葉かもしれませんが,車や機械をなめらかに動かし,長く安全に使うために欠かせない技術です.私自身も,身の回りの「どうして動くのだろう」「どうすればもっとよくなるのだろう」という興味から,この分野に進みました.身近な不思議に興味を持つことが,未来のものづくりや新しい技術につながっていくと思います.
