シンポジウムセッション

シンポジウムセッション

 「トライボロジー会議 2025 春 東京」では,一般講演による通常のセッションのほかに,複数のテーマについてシンポジウムセッションを設け,講演を募ります.下記の各シンポジウムの趣旨をご理解いただき,ふるってご応募・ご参加ください.なお,これらのシンポジウムセッションにおける講演は,一般講演とは異なり,必ずしもオリジナル講演に限定せず,整理された 2 次情報に基づく講演も受け付けます.講演の申込は,会誌トライボロジストならびに本会ホームページの「トライボロジー会議 2025 春 東京」の講演申込要領に沿って行ってください.また,オーガナイザーより講演を依頼された本会非会員の方は,オーガナイザーの指示に従って講演の申込を行ってください.

テーマ(1) トライボロジーのデータ計算科学 (分類番号 S1)

オーガナイザー
鷲津 仁志  兵庫県立大学
田中 健太郎 東京海洋大学
小野寺 拓  ENEOS 株式会社
義久 順一  株式会社 IHI
王 岩    イーグル工業株式会社

 本シンポジウムは,産学協同研究会の「分子シミュレーションのトライボロジーへの応用研究会」(2005年度~2024 年度),および学会指定研究会の「トライボロジー技術への AI の活用を考える研究会」(2020年度~2022 年度)を母体として発展的に統合した「トライボロジーのデータ計算科学研究会」のキックオフを兼ねたいと思います.データ科学(機械学習や人工知能)は,自然科学の第四の方法として近年爆発的に発展している分野であり,計算科学(シミュレーション)は,世界第二位の計算機資源を有する我が国が得意とする第三の自然科学であります.自然科学が扱う分野の中で生命現象と並んで最も複雑な現象ともいえるトライボロジーは,データ科学との相性が良いと考えられますが,まだまだ発展途上であります.また,直接観察の難しい二つの固体間の動的現象を扱うトライボロジーにおいて,シミュレーションは有力な解析手段です.両者ともに,コンピュータを活用するという共通点があり,実験的,経験的な知を母体とするトライボロジーにとって若干敷居が高いという共通点もあります.これを解決し,より先端的なトライボロジー研究開発を実現するため,産業界,アカデミア両者の知恵を集め,交流する場としたいと思います.是非,実験,理論の垣根を問わず,皆様方のお知恵をいただけたらと思います.

テーマ(2) 次世代燃料を用いた内燃機関の研究開発とトライボロジー要素部品及び開発環境に関する課題(分類番号 S2)

オーガナイザー
三原 雄司  東京都市大学
藤田 貴也  日立 Astemo 株式会社
松本 謙司  東京電機大学
及川 昌訓  東京都市大学

 二酸化炭素(CO2)の排出を実質ゼロとする動きが世界中で急速に進み、環境負荷低減が求められています。電動化により BEV(Battery Electric Vehicle)、 FCEV(Fuel Cell EV)が拡大方向に向かい、乗用車では 2035 年までに電動車が PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)と HEV(Hybrid electric Vehicle)を含めて 100%に、商用車の小型トラック・バス(8t 以下)は 2040 年までに電動車と合成燃料等の車両も併せて 100%の目標が設定されています。合成燃料(e-fuel 含む)も含め、水素、メタノール、アンモニアなど、CN(Carbon Neutral)とされる燃料の内燃機関への応用は各社で活発化し、試作エンジンも多く開発されています。ディーゼル燃料など従来燃料でも課題とされたエンジンの信頼性、エンジン摺動部における摩擦・摩耗の課題は、CN 燃料を用いる内燃機関の市販化の開発段階でも重要な課題となり、各種燃料特有の燃焼による構成部品及び潤滑油性状や、摩擦・摩耗・焼付き特性への影響の解明が将来必要とされると考えております。本シンポジウムでは CN 社会に向けたエンジンの研究開発の動向、エンジンの信頼性を支える摺動部品の課題、摩耗粉の挙動、水素脆性、オイル、試験環境などに焦点を当て、話題提供をいただき活発な議論の場にしたいと思います。

テーマ(3) 環境中の摩耗粉の分析と評価(分類番号 S3)

オーガナイザー
平塚 健一  千葉工業大学
長谷 亜蘭  埼玉工業大学

 環境保護と持続可能な社会への関心が高まる中,さまざまな製品やシステムから発生する微粒子や摩耗粉が環境や健康に及ぼす影響に注目が集まっています.鉄道や自動車を含む多様な輸送手段においても,分析・評価技術の進展と共に摩耗粉の発生メカニズムや環境への影響の解明が進められています.本シンポジウムでは,微粒子や摩耗粉の発生源やメカニズムを検討し,技術的な課題解決と環境保護を両立する方向性を議論します.